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甘えるように擦り寄り、キュウッとワイシャツを握る瑠維。
「瑠維…、そんなに好きか…?」
「…………ん。 しゅきらよ…(好きだよ)」
チュ。
頬に触れた唇も、熱い。
「……………れい…?」
「ん?」
「おれね…、れいにいっぱい……つくしたい…。
おいしいごはんつく…て…、きもち…、ような…て…もらて…(美味しいごはん作って、気持ち良くなって貰いたい…)」
「今でも充分に尽くしてるのにか?」
「ん……………」
こっくりと頷く瑠維に、玲は一瞬言葉が詰まる。
「………結婚する前から尽くしまくってて、それでも俺に尽くしたいのか…?」
「ん…」
淀みなく答える瑠維。
「お前ん中、どれだけの想いが詰まってんだよ…。
なぁ…?」
本当は分かっている。
瑠維の中の想いは、日々募って凝縮されているのだと。
この華奢な体も魂も、全てが玲と忍への愛で充たされているのだと。
普段は照れて言えない分、こうして箍が外れた時にだけ素直に見せてくれるのだと…。
「れい…」
「ん…?」
「れいの…キス……ほし…」
「ああ。」
請われるままに、口づけを贈る。
この萌えを振り撒く伴侶に、とうに自分は篭絡されきっているのだから…。
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