85 / 262
・
「………」
「………れい…」
ぷっくりとした唇が、自分の名前を紡ぐ。
それだけで、何故こんなに胸が沸き立つのだろう。
愛おしさが込み上げ、玲は瑠維を腕の中に抱き込んだ。
「ふふ………」
夢の中でも玲といるのだろうか。
嬉しそうな顔をして玲の服をキュウッと握り、胸元に頬を擦り寄せる。
「可愛すぎんだろ、お前」
「……………玲…」
唇から、甘い吐息が漏れた。
ほう、……………と。
「お前が好きだ。
好きで好きで堪んねえよ。
愛してる。
愛してるからな…」
チュ。
額に口づけを落としてやる。
「はう…ん」
「何時からこんなに俺の中でお前の存在が大きくなったんだろな…。
もうな、もぎ取られたら生きて行けねえかもしんねえ。
いや、多分死ぬな…。
こんだけ俺を惚れさせたんだ。
魂が溶け合うまで、永遠に俺の嫁になってもらうぜ。
………責任取れよ?」
チュ。
「…………うん…」
蕩けそうな顔で、フワリと微笑む瑠維。
寝ぼけているのは分かっていても、返事をしてくれた事が無性に嬉しくて、玲はギュウッと瑠維を抱きしめた。
ともだちにシェアしよう!