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『うわ―、何、この色っぽさ!!  可愛くて健気でエロいって、どういう事だよ!?』 『いやっ!!なんでこんなに艶っぽいの!?  ホントに20歳過ぎてるワケ?  萌え袖が堪んないわ~っ!!』 『なっ、なんで一晩でえっちい顔になってんの~っ!?  いや~ん!! なんか可愛くて萌えちゃううっ!!』 「…………………?」  脳内で萌え転がる三人の息遣いが少々おかしい。  妙な雰囲気を感じ取り、瑠維が小首を傾げる。  玲の兄妹だから、狼藉を働く筈がないと思ったのだろう。  何の警戒もせず、不思議そうな顔をしたままで、くったりとクッションにもたれ掛かる瑠維。  そこに、煌がフラフラとにじり寄りかけ…。   ごっ!! 「ぐはあっ!!」  綺麗な放物線を描いて反対側に飛ばされ、もんどり打って倒れた。 「おい!!  コイツは俺の嫁だッ!!  汚ねぇ手で触ったり、おかしな真似しようとすんじゃねえッ!!  ぶっ飛ばすぞッ!!」 「へ………?」  驚いて視線を向けた先に立っていたのは、憤怒の形相を浮かべた玲だった。  あまりの剣幕に、三人が固まる。  その凍った空気の中、動いたのは…。 「玲、やり過ぎなんじゃないの?」 「…………………っ!?」  瑠維だった。

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