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アクシデントがあったものの、小鳥遊家で穏やかな時間を過ごせた二人は、自宅に帰ってきた。
「ふふ…っ」
ワイシャツ一枚羽織ったきりの瑠維は、玲の膝の上で身をよじる。
「こら、動くなよ」
「無理…。 だって、凄く擽ったい…っ。
それに、もう痺れてないって」
薄紅の花びらが散った脚を玲は一生懸命摩っている。
小鳥遊家で膝枕をしたまま二人で長いこと寝入ってしまい、瑠維の両足の感覚が無くなったからだ。
「だってな、お前の足…、すっげぇ色になってたじゃねえかっ」
血流が戻ったあと、両足がしびしびと痺れて瑠維が擽ったがった。
家に着いてから、慌ててジーンズを引っこ抜き、玲はひたすらベッドの上で足を摩っていたのだ。
肌の色も普通になり、本人が痺れも取れたと言っても、心配でならないらしい。
「玲…。
俺さ、玲のこと膝枕して凄く幸せな気持ちだったし、こうして一生懸命摩って貰えて…、嬉し過ぎてなんか………、どうにかなっちゃいそ…」
玲に凭れ、瑠維はホウと息をつく。
肌の上を滑る玲の手の感触が、ズクリと体の芯を疼かせてならないから…。
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