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 こつん。  額を重ね。  フワリ。  睫毛を触れ合わせる。  羽のように軽やかで。  ひそやかな、バタフライキス…。 「ふふ…」  こんなふうに額を重ねたり、睫毛だけでキスをするのは、じれったさを伴って心を擽る。  そう。  同じ触れ合わせるなら、唇がいい。  チュ。 「ん……………っ」  チュ。  玲の唇を啄む。  チュッ。 「「んん……………っ」」  ハムハムと啄みあい、  チロリと舌先で唇を舐める。  甘く啄み、深く契る。  チュクチュクチュク…。  チュ…ッ、……クチ…ッ。  っは…、……はっ、……ん…。  リップ音と水音、あえかな吐息…。  昨夜、限界を越えるほど抱きあったというのに、体の芯が疼く。  深く淫らな口づけは、体内の埋み火を一瞬で業火へ変える。  もう。  止まらない。  止めようのない激しい情愛が二人を灼く。  まるで体を繋ぎ合わせるかのように重なる唇が立てる音。  体勢を変えて向かい合わせになり、愛を吹き込むように唇を深く結びあわせた。

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