128 / 262
・
「「瑠維」」
「…………」
「俺達も同じなんだ。
二人でお前を大事にして行きたいのに、小っこいのがいたらヤキモチで絶対死にそうになる」
「今だってそうだ。
琥珀を抱っこしているのを見ていて、気持ちがどうにかなりそうなんだから」
「玲…、忍…」
潤む瞳から、尚も大粒の涙がこぼれ落ちる。
「だって…。
だってさ…、好きで好きで仕方ないんだ…。
好きになればなる程、二人の命を繋げていきたいって思うようになって…。
なのに、俺…………男だから、子供産めないし………っ、玲と忍の未来を奪ってるって………っ」
今のままでいいと何度も言ってきた事なのに、瑠維と璃音は伴侶の未来を願ってしまうのだ。
「いいんだよ、今のままで」
チュ。
「今の俺達の在り方が一番いいんだ」
チュ。
「そういう気持ちでいてくれただけで、充分嬉しいよ」
チュ。
心優しい伴侶達の言葉が、じんわりと胸に染み渡っていった。
ともだちにシェアしよう!