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親愛なる瑠維へ
ごめんね。
いきなり別荘をプレゼントだなんて、びっくりしちゃったと思います。
きっと、瑠維はいらないって言うと思うけど、受け取って下さい。
だってね、あの二人を見ていたら、気持ちが痛いくらい判ったんだ。
どんなに優しく抱いても、最悪なくらい酷い抱き方をした過去は消せないって、後悔してもしきれないんだ…って。
瑠維を大事にすればするほど、消せない過去が気になっちゃってたんだと思う。
だから、罪悪感のループは、そろそろ切っちゃった方がいい。
三人の始まりの場所で、確かめ合ったり、愛情を深めて欲しいんだ。
僕が言えた事じゃないのは判ってるけど、瑠維にはもっと幸せになって欲しいって思うよ。
罪悪感を抱えて罪滅ぼしのように尽くすのと、愛情を深めて愛し抜くのは、瑠維の中で似てるかもしれないけど、全然違うからね?
ああ、僕の事は考えなくていいよ。
僕は、今が一番幸せだから。
瑠維は僕に対してのキモチも、そろそろ区切りを付けなきゃね?
好き、だから、尽くしたい。
愛してる、だから、もっと尽くしたい。
罪悪感抜きで、シンプルに想っていこう?
それが、一番いいと思うよ。
普段はなれなくても、その別荘だけでは素直に愛されて欲しい。
幸せになって。
身も心も、魂まで愛を孕んであの二人を篭絡してね、瑠維。
瑠維がこの世で一番幸せな花嫁になることを願ってるよ。
不肖の弟より。
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