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「………っ」  瑠維を責める事も無く、幸せになれ、気掛かりだった事を忘れて伴侶達を篭絡しろと…。  龍嗣の手紙も、璃音の手紙も、優しい気持ちだけが書かれていた。 「馬鹿だな…。  俺がしちゃった事、全部スルーして……」  ほろ。  ほろほろ。 「瑠維…」 「だってさ、全部忘れるなんてできるわけ…ね…のに…」 「いいんじゃねえのか?  あの二人がそれでいいって言ってんなら」 「………っ」 「そうだな。  珊瑚と琥珀の手術の時に、全部水に流したと思っているのかもしれない。  なら、お前も引きずるのをやめて、幸せになったところを見せて安心させてやればいいんじゃないか…?」 「…………っ。  そ…な、都合よすぎ…」 「都合良く受け取っちまえ。  せっかくの誕生日なんだからさ」  チュ。 「それもそうだな。  瑠維の誕生日なんだから、あの二人からの豪華なプレゼントついでに、都合良く受け取ってしまおう」  チュ。 「………………誕生日プレゼントに、別荘贈る規格外れの奴なんかいないよ…」  頬を膨らませて拗ねた顔をしているのに、二人の伴侶は優しい顔で微笑んでくれた。

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