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◆◇◆◇◆  漸く瑠維の気持ちが落ち着き、取り敢えずひとっ風呂浴びようかという事になった。 「琥珀や珊瑚の乳臭い香りが鼻について仕方ない」と、二人が言い張ったからだ。 「臭いかなぁ…?」  クンクンと鼻を鳴らして袖口を嗅いでも、瑠維には良く解らない。 「嫌な香りじゃないが、瑠維の肌の香りと混じると甘ったる過ぎて萎える」らしい…。  結局「俺達が念入りに洗ってやるよ」と言われ、二人に手を引かれてバスルームへ連行されてしまった。  ニコニコと上機嫌でボディソープを泡立てる二人。  かなりきめ細かく仕上がった泡に満足げな目になった。 「ほら、ちゃんと顎を上げな」 「う、うん…」 「腕をずらしてごらん。  そう、上手だな…瑠維」 「…う………」  いい年をして、大人二人に体を洗われるのはどうなんだろう…。  気恥ずかしさにどうにかなりそうで視線を下げると、自分とは全く形状の違う玲の楔が視界に入る。  まるで、彫像のように均整の取れた体に、立派(過ぎる)な代物だった。

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