142 / 262
・
◆◇◆◇◆
漸く瑠維の気持ちが落ち着き、取り敢えずひとっ風呂浴びようかという事になった。
「琥珀や珊瑚の乳臭い香りが鼻について仕方ない」と、二人が言い張ったからだ。
「臭いかなぁ…?」
クンクンと鼻を鳴らして袖口を嗅いでも、瑠維には良く解らない。
「嫌な香りじゃないが、瑠維の肌の香りと混じると甘ったる過ぎて萎える」らしい…。
結局「俺達が念入りに洗ってやるよ」と言われ、二人に手を引かれてバスルームへ連行されてしまった。
ニコニコと上機嫌でボディソープを泡立てる二人。
かなりきめ細かく仕上がった泡に満足げな目になった。
「ほら、ちゃんと顎を上げな」
「う、うん…」
「腕をずらしてごらん。
そう、上手だな…瑠維」
「…う………」
いい年をして、大人二人に体を洗われるのはどうなんだろう…。
気恥ずかしさにどうにかなりそうで視線を下げると、自分とは全く形状の違う玲の楔が視界に入る。
まるで、彫像のように均整の取れた体に、立派(過ぎる)な代物だった。
ともだちにシェアしよう!