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「瑠維、お願いだ、聞き分けてくれ」 「嫌だ」 「瑠維、俺達はお前が一番大事だからするんだぜ?  なあ、分かってくれよ」 「絶対ヤだっ!!」 「「………………………」」  後蕾に差し込んだ指は、キュウと締め付けられて動かす事が出来ない。  柔らかく綻んでいるとは言え、無理矢理掻き出そうとすれば瑠維が苦しい思いをする。  それはしてはならない。  だが、掻き出さなければ腹痛を起こして苦しい思いをするのも瑠維だ。 「瑠維…」  困り果て、空いた手で髪を撫でる。  ほろ。 「「……………っ!!」」  潤んだ瞳から大粒の涙が零れ落ちた。 「だって…、ここんとこ…三人でするとさ、風呂では中にくれるけど……っ、ベッドで続きするときに……、ゴムつけちゃうだろ…っ。  ヤなんだ、それ…っ。  俺の事大事にしてくれんのは分かるけど、あんた達の命のカケラだから、俺は自分のなかに受け入れたいんだ。  一滴残らず俺自身で受け止めてなきゃヤだ…っ」 「「瑠維…」」  吃逆混じりの言葉には、瑠維の有りったけの思いがあった。  それは我が儘と言うより、切なる願いなのだ…と二人は感じていた。

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