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「そりゃ…そうだろけど…」
まさか瑠維の言葉を肯定するとは思わなかったのだろう。
玲は驚きを隠せていない。
「それに、璃音も以前言っていた。
永遠に愛したいと想う相手の蜜は、一滴残らず注がれたいし飲みたい、と。
子供を授かりたいと願う位に相手に焦がれているんだぞ。
同じ鬼の子供なんだから、瑠維がそう思っててもおかしくない。
なら、その願いを叶えるのが俺達のするべき事だろう?」
「………マジか」
「ああ。
気遣かった事で逆に瑠維を傷つけてしまうなら意味がない。
常に二人で抱く訳じゃないんだから、願う事を優先した方がいいんじゃないかと思う」
「……………………………………………分かった。
瑠維を傷つけるのは、俺も嫌だから…な」
ため息混じりに玲が折れると、瑠維の目が一層潤んだ。
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