184 / 262

 互いの噴いた茶を浴びてしまった玲と忍。  半ば混乱したままの二人の顔や髪を拭いて、紛らわしい言い回しをしてしまった事を瑠維は謝った。 「ご、ごめん。  今までうまく出来なかったのが成功したから、ついつい浮かれちゃったんだ。  店で出す分で考えてた時には上手くいかなかったのに、玲と忍を想って作ったらさ…。  思ってた以上の出来になって…」  恐る恐る差し出したのは、真っ白な皿。  その皿に乗っていたのは、つい先程切り出したかのような艶やかな紅い薔薇の花と蕾だった。

ともだちにシェアしよう!