188 / 262
可愛い嫁・野獣医師編
山の手の住宅街の入り口にその店はある。
フレンチやイタリアンの垣根を越えたメニューは、スイーツに至るまでリーズナブルなのに絶品と評判らしい。
その店の名は、白椿亭。
瑠維の勤務先だ。
一番奥の窓際の席に座った男は、さりげなく視線を右に向ける。
視線の先には厨房で腕を振るう瑠維。
目を輝かせて嬉しそうに次々料理を仕上げていく。
『さすが俺の嫁。
かいがいしさが堪んねえぜ…』
少々危ない目で見詰める玲なのだった。
ともだちにシェアしよう!