190 / 262
・
◆◇◆◇◆
ラストオーダーも終わり、漸く上がりの時間になった。
食洗機にかけたカトラリーを丁寧に拭き、厨房の明かりが落ちる。
駐車場で待っていた玲の元へ、少しぎこちない動作で瑠維が歩いて来た。
「お、お待たせ」
「お帰り。 俺の萌え猫」
ニヤリと笑う顔に瑠維の口元が綻ぶ。
「ごめん、疲れてんのに…」
「連チャンの夜勤なんかどうって事ねえよ。
待ち合わせだって滅多に出来無ぇから、なんか新鮮だったしよ。
ほら、手」
「ん…」
差し出された手に、自然に手が触れた。
ともだちにシェアしよう!