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 チュ。  クチュ…。  明らかに舌を絡め合う深い口づけ。  互いに情を吹き込むような。  甘い甘い口づけだ。 「好き…、好き…、愛してる…」 「俺もだ。  …ここまで惚れさせた責任取れよ?」  チュッ。  再び深く契り、そのまま横抱きにして愛車に向かう。  助手席に座らせる時も、シートベルトをかける時も、玲は瑠維を大事に大事に扱った。  パタン。  恭しく閉められたドア。  ほんのり上気した瑠維と、野生味を増した玲を乗せた車が駐車場を出ていく。  後には、二人の甘い口づけに当てられた従業員達が残された。

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