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「凄い…。 すっごく細いワイヤーを重ねたり巻いたり…。 こんなの、どうやって作るんだろ…。 鳥は生きてるみたいだし、花は香りがしてくるんじゃないかって…。 何て言えばいいのかな…、夢が現実になったみたいだ…」 ほぅと漏れる溜め息。 うっとり見つめる瑠維の肩を、忍が優しく抱いてくれる。 「これを初めて見た時に、瑠維が作る料理やキルトを思い出した。 まるで、瑠維が思い描く世界が現実になったような気がしたんだ」 「………っ」 眩しそうに目を細める忍に、瑠維はもう心臓が跳ねて仕方なかった。

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