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第二章・7
大切に持って帰った、初めてのアレンジメント。
赤いマグカップをデスクに置き、雪緒はさっそく桃色のミニバラの花言葉を調べていた。
「え~っと。ピンクのミニバラの花言葉は……『愛を誓います』」
うわぁあ、と雪緒はベッドにばたんと転がった。
凌介の花器には、他にもいろんな色のミニバラがあった。
そこからわざわざピンクを選んだ、となると。
「どうしよう、もう。困っちゃうよ、参っちゃうよ!」
ごろんごろんと転がり、枕を抱いて凌介を想った。
「ああ、もう。好きになっちゃった。こんなに好きになっちゃった」
明日も、学校が楽しみ。
凌介に会えるから。
明後日も、明々後日も!
毎日、素敵な日々を送るんだ。
凌介と一緒に。
桃色のミニバラを眺めながら、幸せな心地で雪緒は眠った。
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