20 / 61

第三章・5

『これが5歳の雪緒かぁ。可愛いな』 「凌介、今は?」 『え?』 『今の僕……、可愛い?』 『雪緒』 『可愛かったら、キス、して』 『いいぜ』 『ぅんッ。凌介ったら、キスしながら、どこ触って……、あぁんッ♡』 『すっごく可愛いぜ、雪緒』  鼻の舌を伸ばしていると、小さな悲鳴が上がった。 「あぁっ!」 「雪緒!?」  手を掛けた岩が突然割れて、雪緒が転げ落ちたのだ! 「だ、大丈夫か! しっかりしろ!」 「大げさだな。頭は打ってないから、平気だと思うよ。……ッ痛!」 「どこが痛む?」 「足が。ちょっと捻ったみたい」

ともだちにシェアしよう!