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第四章・2
「草野先生、ちょっといいですか」
「何だ、ようやく着いたか。波多」
「同じ班の新見くんが、足を怪我して医務室にいます」
そこでようやく、草野の笑顔が消えた。
「どうしたんだ。悪いのか?」
「え、いえ。足を捻挫して」
草野の笑顔が戻るのは、実に早かった。
「なぁんだ! 大した事、ないな!」
良かった良かった、とすぐにバレーボールに戻ってしまう草野。
(こん畜生! ぶん殴ってやりたいぜ!)
しかし、そんなことをすれば停学、悪くすると退学だ。
雪緒と楽しい学園ライフを過ごすために、凌介は歯をくいしばって耐えた。
(それに、そんなことすれば雪緒が悲しむだろうしな)
僕のせいで、とか何とか言って、自分を責めるに違いない。
いつか復讐してやる、と誓いながら、凌介は体育館を後にした。
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