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第四章・5

 温かく、柔らかな唇を合わせて、しばらく幸福感に浸った。 (凌介) (雪緒)  胸の内で互いの名を呼び合った。 「ぅん……」  雪緒の呼吸がわずかに乱れ、薄く口が開けられた。 (こ、これは。誘ってくれてるのか!?)  確かめるつもりで、凌介は舌をそっと出して雪緒の唇に沿わせた。 「あ、はぁ……」  つられるように、雪緒の舌ものぞいてくる。  凌介は、その先端を優しく舐めた。 「あ……、ふっ」  ぴちゃり。  くちゅり、ぷちゅん。  やがて濡れた音を立て、二人は互いを慈しみ始めた。 (雪緒、柔らかい) (凌介、あったかい)  舌を絡めあい、体を抱きしめ合い、初めてのキスに酔った。

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