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第五章 愛しい人

 時間は、わずかしかない。  凌介は急いで薬品棚からワセリンを取り出した。 「何、それ」 「ワセリン。花屋は手肌が荒れるから、使ってるんだけど」  ローションの代用になる、と凌介はそれを雪緒の蕾に塗り込んだ。 「ふふっ。やだ、くすぐったい」 「怪我人には、優しくしなきゃなぁ」  丁寧に、雪緒の浅い所まで塗ってしまうと、今度は自分のペニスにたっぷり施した。  向き直った凌介の眼差しは、切羽詰まっている。  雪緒は恥ずかしくて、眼を逸らした。 「な、雪緒。ホントにいいの?」 「凌介なら、いいよ」  脚を、大きく広げられた。 (ああ、もうすぐ。凌介が、僕の内に)  ぞくぞくと、背筋を快感が這い上る。  まだ、挿れられてもいないのに。 「じゃ、じゃあ。イくぜ」  ゆっくりと、凌介が雪緒の内に挿入って来た。

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