32 / 61
第五章 愛しい人
時間は、わずかしかない。
凌介は急いで薬品棚からワセリンを取り出した。
「何、それ」
「ワセリン。花屋は手肌が荒れるから、使ってるんだけど」
ローションの代用になる、と凌介はそれを雪緒の蕾に塗り込んだ。
「ふふっ。やだ、くすぐったい」
「怪我人には、優しくしなきゃなぁ」
丁寧に、雪緒の浅い所まで塗ってしまうと、今度は自分のペニスにたっぷり施した。
向き直った凌介の眼差しは、切羽詰まっている。
雪緒は恥ずかしくて、眼を逸らした。
「な、雪緒。ホントにいいの?」
「凌介なら、いいよ」
脚を、大きく広げられた。
(ああ、もうすぐ。凌介が、僕の内に)
ぞくぞくと、背筋を快感が這い上る。
まだ、挿れられてもいないのに。
「じゃ、じゃあ。イくぜ」
ゆっくりと、凌介が雪緒の内に挿入って来た。
ともだちにシェアしよう!