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第五章・4

 夜はチームワークを高める、軽いレクリエーションが行われ、その後は入浴だ。 「僕、皆とお風呂に入るの恥ずかしいな」 「恥ずかしい? 何で?」  聞くと、小柄で色が白いから、女子のようだと中学の頃バカにされたのだという。 「そんなこと言う奴がいたら、俺がシメてやるよ」  笑う雪緒が、切ないほど愛しい。  そう、俺はこいつを守るんだ。  しっかり離さないでいるんだ。  しかし、浴場で見る雪緒は、正直言って目の毒だった。  湯を浴び、桜色に上気する肌を見ると、嫌でも先ほどの彼を思い出す。  凌介の下でその身を開き、悩ましい声で啼いていた雪緒の姿を。 (やばい。勃ってきた)  タオルで隠し、必死になって冷水を浴びる凌介。 「凌介、寒くない? 水なんか浴びて」 「こっ、これが俺の、健康法!」  幸い班長の久保田が、湯船の中で下手くそな歌を披露しだした。  凌介は、その歌詞に集中することで、心の平穏を保とうとした。 「Shake Hip ゆれる度に Oh! Sexy Shock! Youの瞳クレイジー でもひかれる My Heart そのドレスやぶって Mon amour~♪」 「風呂ん中でセクシャルな歌、止めろ!」

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