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第五章・6
床に就いた凌介と雪緒は、赤くなっていた。
何だか、あの1時間が嘘みたい。
でも、アソコがじんじんする。
疼いて、熱くなってる。
「現実、だよね」
小声で、自分に確かめた。
春休みに出会ってから、まだ1ヶ月も経たないのに、もうエッチしちゃった。
「しかも、自然の家の医務室で、なんて」
どうしてこんなに慌ただしく、急いじゃったんだろう。
デートして、手を繋いで、キスして。
それから、どちらかの部屋で結ばれる。
それが普通の手順なのに。
「……雪緒、もう寝た?」
「まだだよ」
隣の布団から、もぞりと凌介が身を乗り出してきた。
「あのさ、後悔、とかしてない?」
「後悔?」
「いや、あの。俺、あの時のぼせ上ってて。我慢できなくって。ごめん」
「謝らないでよ。素敵だった」
「本心?」
「うん。ドキドキ、した」
そう、僕は凌介が大好き。
だったら、どこでどんな風に結ばれたって、それはすごく素敵なことなんだ。
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