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第六章・2
降るような星空を、赤い炎が焦がすようだ。
キャンプファイヤーは、生徒たちの心を躍らせた。
「よぉし! 歌でも歌うか!」
しかし草野が指定したのは、校歌だった。
「ったく。こんな時まで校歌かよ」
「みんな知ってる歌だから、じゃないかな?」
仕方なく校歌を歌う凌介に、雪緒は話しかけた。
「凌介は、どんな音楽聴くの?」
「ん~、洋楽。たぶん、言っても知らないよ」
「今度、聴かせてよ」
「いいぜ! 家に遊びに来いよ、な!」
愉快なお喋りをしている間に、校歌斉唱は終わってしまった。
「次は、第一応援歌、いくぞ!」
やたら張り切る草野だ。
「校歌とか応援歌とか。これじゃ学校に居る時と変わんないじゃん」
「もうすぐ高総体あるし。練習を兼ねて、じゃないのかな」
そんな雪緒に、凌介は笑顔を向けた。
「雪緒、いつも良い方に考えるんだな。いいな、そういうの」
「そ、そう?」
嬉しいな。
凌介に褒められるのは、気持ちがいいな。
熱血応援歌を歌いながら、雪緒は甘酸っぱい恋の味を噛みしめていた。
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