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第六章・5

 深夜、雪緒は凌介に起こされた。 「な、雪緒。ちょっと抜け出さないか?」 「外へ?」  うん、と言う凌介は、もう半身を起こしている。  周囲からは寝息やいびきが聞こえ、誰かにとがめられることもなさそうだ。 「じゃあ、ちょっとだけ」 「よし、行こう」  部屋を抜け出し、凌介に連れて来られたのは屋上だった。 「少し冷えるな。大丈夫か?」 「うん、平気」 「上、見てみろよ」 「うわぁ……」  満天の星空。  どれが一等星か解らないくらい、全ての星々が煌めいていた。 「山は、これがいいんだよな。まず市街地では見られないからなぁ」 「うん、うん!」  すごく素敵だ、と雪緒は流れ星に祈った。 (どうか、このままずっと凌介と一緒にいられますように……) 「何、お願いしたんだ?」 「ふふっ、内緒」  

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