12 / 30

12、事件発生!

陛下を祝う為、様々な催し物が 行われていた。 「このような宴に来るのは初めてで 分からぬことも多いが、陛下に 喜んでもらえるよう一生懸命なのは 分かる。忙しい陛下が少しでも 癒されればよいな」 「そうですね、父上。陛下もきっと 皆の気遣いを汲み取って下さる でしょう」 そう父と話をしていた時、奥の建物の 側に立っている男に気づく。 よく見ていると、陛下だけを睨んで いるのだ。そして男は何の躊躇(ちゅうちょ) もなく、弓を出し矢を放つ準備を していた。 「陛下、危ない!」 あの距離では男を止めるのは不可能だ。 そう思った諒は陛下の元へ走り 矢が当たらないよう、必死に庇った。

ともだちにシェアしよう!