「諒、今戻った。諒を補給させてくれ」 「へ、陛下！？」 「陛下ではなく、龍清(りゅうせい)と呼んで くれ。そなたには名前で呼んで欲しい」 諒に対する溺愛ぶりは皇宮全体に 広がっている。皇帝陛下の母である 大妃(てび)様にまで届いていた。 「龍清様、お帰りなさいませ。 今日もお疲れの様子ですね。 肩をほぐしましょうか」 諒も薄々気づいていた。陛下は 仕事が終わった後、片時も離れ ようとしない。あと一つ気になる ことがある、それは・・ 「今日も誰とも話していないな」 「・・はい、龍清様。将内官以外 とは話していません」 この会話だ。諒が人と話す事を 禁止しているのだ。そもそも 皇宮殿から出たことがない。 諒はその理由が分からなかった。