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GAME2

「ハルくん、水責めはちょっと……」 「は? なに言ってんの。これ。ここ見て」  こことハルくんが指さしたのは、冷蔵庫の上。カップラーメンやインスタント食品が奥のほうに押しやられ、代わりにでんと顔を出しているのは……フルーツグラノーラさん。大きな袋が、ひとつ、ふたつ、みっつ。 「あれ? ハルくん、そういうの嫌いじゃなかった? おれら、ついにスポンサーでもついたの?」 「つくか」 「え、じゃあ……」 「栄養不足、これで補って。あと、冷蔵庫の中にヨーグルトも買ってあるし……それから、実家の連絡先教えて」 「え?」 「家族に連絡しろって言われたんだけど、おれカナさんの実家の連絡先知らないし。なんだったら救急車乗る時だって、どういう関係かってめっちゃ聞かれてさ、家族じゃないなら乗せないくらいの勢いだったんだから」 「え? そうなの?」 「そうなの! だから同居人だって言ったら……その、なんか若干勘違いされた感じになっちゃって、パートナーですか? って聞かれたから、めんどくさくなってハイって答えちゃった」  パートナー……それはつまり、恋人ってこと? 「え、いや、めんどくさくなってじゃないよ。違うじゃん、それは」 「そうだけど! そうでも言わなきゃ、おまえ誰だ? な感じだったんだよ! でもさ、救急車の中で、どうして倒れたんだとか、異変はなかったかとか、色々聞かれたんだけど……結局なんも答えられなかった。わかる? おれの無力感。カナさんは意識ねぇし、家族の連絡先もわかんねぇし、なんでカナさんがぶっ倒れたのかもわかんねぇし……」

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