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GAME3
「カナさん。隠しごとは良くないと思うわけ」
「っ、か、隠しごとなんかしてないよ」
「すげえ動揺してんじゃん。おれ、そういうのは敏感よ?」
「してないしてない、なんもない!」
いやいや、ありますありますって言ってるのと同じだから。ほんと困った人だなぁ。隠しごとのひとつやふたつあったっていいとは思うんだけど、眠れないほどの悩みがあるなら打ち明けてほしいなとも思う。それを、おれが解決出来るかどうかは別として、話くらいならいくらでも聞いてあげるのに。
「話、聞くよ?」
「いい、いい。聞かなくていい」
いや、だから。それはもう、話があるって暴露してるのと同じだし。
「いや、話したくないなら別にいいけどさぁ……これからもずっと一緒に生活してくわけじゃん。だから、なんかあるんなら話してほしいし、今度またぶっ倒れたら、おれマジで怒るよ?」
カナさんがスマホから顔をあげ、おれの顔を見つめてくる。奥二重のすっきりとした目は、少しお疲れ気味で、うっすらと隈が出来ている。ほら、寝不足じゃんか。
「……あのさ」
「うん」
「怒らないでというか……笑わないで聞いてほしいんだけど」
「うん?」
ようやく話す気になったのか、うろうろと視線をさまよわせながら、ぽつりぽつりと話しだす。
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