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GAME3
「ごめんて……こんなしょうもない理由で、ハルくんに心配かけたと思うと……いや、もう面目ない。ほんと、すみません」
いじいじと裸足の足指をいじりながらも、珍しく素直に謝るカナさんに、おれもなんだか申し訳ない気分になってくる。だって引っ越してきて十日? いや、まぁ別に十日くらい禁欲してもどうってことはないんだけど……カナさんの場合、したくてもおれが気になって出来なかった、いや、おれのなにが気になんだよ。
「気になるってなに? おれ、覗きの趣味とかねぇけど?」
「だって今まではひとりだったじゃん。誰に気兼ねすることなく? 処理出来たわけじゃんか。でもさ、今はハルくんがいるから……なんか、ね?」
「いや、わかんねぇわかんねぇ。ね? じゃねぇわ」
「だからっ、聞こえたりしたら嫌でしょうよ」
「はーあ? え、なに? カナさん、そんなでけぇ声だすの?」
「っ、ばかばか! そうじゃないけど……気配みたいなのは感じるじゃん。あー、こいつヤッてんなーみたいな」
……なんだ、この会話。おれら中二か。でも、思い返せば今までカナさんとこの手の話をしたことがなかったような気がする。実況中は、おれがふざけて下ネタ投下したりして、それをカナさんが窘めるっていうのが定石で、カナさんが下ネタを言ったことはない。そういうの苦手なんだろうなとは思ってたけど……。
「えー、ごめん。確認するけど、カナさん……まさか童貞じゃないよね?」
「あほか。さすがにそれはないわ」
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