ぐっすり三時間眠ったまでは良かった。ハルくんが言うように隠しごとがなくなったおかげで、胸のつかえが取れ部屋に戻ったおれは、ベッドに倒れ込むようにしてあっという間に深い眠りに落ちたんだ。 　目が覚めると午前を少しまわったところで、自然と下半身に手が伸び、この十日間ずっとご無沙汰だった感覚に身も心も解放されたような気分だった。 　ところが――。 「……なんで？」 　熱をもち硬く膨らんだあそこは、最後の一線をなかなか越えてくれず……妄想してみたり、動画を観てみたり、あの手この手でムスコを応援してみたんだけどダメだった。 　絶望。まさに絶望。無意味な禁欲をしたせいで、おれのムスコは機能しなくなったらしい。いや、ある意味、機能はばっちりしている。イケないだけで、エンドレスな機能を手に入れたともいえる。 　でも……イケないってなんだよぉ。このまま出せなかったら、ずっと溜まり続けて……いや、そもそも溜まってもいないのかもしれない。放出に至るほどの量が生産出来なくなったとか？　だとしたら、なにかしらの病気なんだろうか。この前、倒れたのだって過労とかじゃなかったのかもしれない。 「……」 　死ぬのかな。おれ、こんなわけのわからない病気で死んじゃうのかな。またハルくんに迷惑と心配をかけちゃうのかな……ああ、もう最悪だ。死ぬんなら今すぐ死にたい。