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邂逅(18)

 美しい顔立ちは、昔、何処(どこ)かで聞いたことがある。  目の前の此奴らは、妖狐という種族に違いない。 「妖狐か……」  ひとつ呟き、対峙している、黒豹のような男を見やると、彼の右手には自分を傷つけた銀製のナイフが握られていた。 (此奴がぼくに傷を負わせたのか!!)  紫苑は我を失い、憤慨した。

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