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邂逅(20)
しかし、その衣類の下にある陶器のような白い柔肌はこんな服よりもさぞ美しいに違いない。身ぐるみすべてを剥ぎ取り、長い足をひらかせて、秘めた後孔に己の欲望を貫けば、いったいどんな甘美な世界が待っているであろうか。
そして、いかにもプライドが高そうなこの悪魔を足元へとかしずかせ、毎夜ベッドの上に組み敷き、極め細やかな肌の隅々を愛撫すれば、いったいどんな姿を魅せてくれるのだろうか。
おそらくは、この気が強そうな鋭い紫水晶の目に涙を浮かべ、真紅の唇が暁の名を呼び、喘ぐに違いない。
そこで暁は、はっとした。
暁は今まで一度たりとも異性でも同性であっても考えたことなど一度たりともなかった。それなのに、今の自分はどうだろう。悪魔相手に淫猥な事柄を思い浮かべているではないか。
(この俺が――この世でもっとも残忍な生き物と詠われる、『悪魔』という種族と一戦を交えようという時に……らしくもない)
生まれ出た自分の思考に首を振り、追い払う。
しかし、そうは思っていても、視線は勝手に目の前にいる美しすぎる悪魔を舐めまわすように見つめてしまう。
暁の熱い猛りは、今までにないくらい、デニムパンツを押し上げ、強調している。
それほど、この悪魔は絶対的な美を感じさせた。
いや、視覚、感覚だけではない。暁の嗅覚でさえも彼を求めていた。
それは妖狐族伴侶の証である、生まれ持っての香りだ。
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