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邂逅(25)
「っぐぅうう……」
悪魔は、そんな暁に危険を感じたのだろう。先ほどよりもさらに魔力を込めはじめる。周囲に立ち込める魔力はさらに大きな蜷局になった。
だが、暁もそれに合わせて妖力を高める。悪魔は暁に向かって蹴りを一撃を食らわそうとするが、暁もまた黙ってはいない。暁が付けた、左脇腹にある傷口に力が入るよう、彼の体位を変えてやる。
「っ、ぐぅっ!!」
ここへきてやっと、悪魔の冷酷な表情はやや乱れ、苦痛の色へと変化した。
なんとも頑丈な悪魔だろう。暁は思った。
相手が体勢を崩した瞬間を狙い、暁は彼を押し倒した。それは暁の欲望がやっと成就される瞬間でもあった。
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