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邂逅(32)

 こういった行為に不慣れな、この美しくも色香漂う悪魔の姿が、暁にさらなる欲望を募らせる。  なんとも淫猥な悪魔であろうか。  暁は身を焦がすような感覚に陥った。  しかし、である。この悪魔が本当に父親である祇王の亡骸を食らったのか、また、この美しい悪魔には他にも仲間がいるのかを問いたださねばならない。  暁は、目の前で悶え苦しんでいる悪魔から無理やり身体を引き剥がし、今となってはぐったりとしている彼を抱き起こすと、自分の領域である、誰にも邪魔されない、広すぎる家へと足を向けた。  すべては、疑問と欲望を解消するために――……。 【邂逅・完】

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