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第10話

「ひッ! 」 「あれ? こっちもちょっと勃ってる。漏らして興奮したんだ」  何故か緩く勃ってしまったペニスを掴まれ身体を捩るが、この状態で逃れられる筈など無いし、逃げようなんて頭もない。 「アッ、アゥッ……ちがっ…俺は…… 」 「壮一、気持ちよかった?」 「やっ……あぁっ」  覆い被さるように耳元でそう告げられ……そこで初めて名字ではなく、名前で呼ばれた事に気がつき、無意識の内に壮一のペニスは硬度を増して打ち震えた。 「挿入(はい)るよ」  いつものように優しい声。疲弊しきった頭の中……それだけが確かな物だと思え、壮一はボロボロ涙を流すと、「ごめん」と小さく呟いた。 「あっ……ああっ」 「やっぱ水だけじゃキツいか」  メリメリと音がしそうなくらいの痛みを伴う挿入も、その熱しか感じられずに、唇からは喘ぎが漏れる。 「うぅっ、あっ……あついっ! 」  冷えた後孔へと分け入る熱に、涙を流して身体を揺らすと、鎖を下へと落とした光希は太股を強く掴んでから……長大なペニスをゆっくり壮一の中に捻じ込んだ。 「やぁ……アゥッ」 「本当のことを言えよ。壮一は遊びだった? 」  光希自身、確かに最初は興味本位で近付いたけれど、ようやく自分の想いに気付いてから一年……気持ちは何度も伝えていたのに、それについては全く彼に取り合ってはもらえなかった。 「それとも、俺が遊びで抱いてるって思ってた? 」 「ヒッ…あぁ……うぅ」  自分が男に恋をするなんて当初思いもしなかったから、彼女を作った事もあったがどれも長続きしなかった。 「答えろよ」 「やっ、ああっ… ん」  悦い場所は、この三年で既に殆ど知り尽くしている。前立腺を掠めるように何度か中を軽く穿つと、艶のある声が聞こえてきたから更に抜き差しを激しくした。 「ヒッ……やぁっ! 」 「俺のこと、好きだろう? 」  自分の行為は犯罪で、彼が本当に離れたいのなら訴えられても仕方がない。だけど、長く一緒にいる中で、これは違うと光希は感じた。思い上がりかもしれないが、壮一は自分をきっと好きだ。 「……め…ダメなんだ。お前は…… 」 「どうして? 」  朦朧としているのだろう。漏れ始めた彼の本音を聞き逃さぬよう動きを緩め、片手で小ぶりなペニスを包む。

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