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気になる①
保健医+彼方
(虐待、高校生)
今回はCPではないです。
俺はこの学校で保健医をしている。
毎日部活や授業などで怪我をした生徒や、体調が悪くなってしまった生徒が来る。
そして今日も彼が来た。
彼は枢 彼方 くん。見た目は金髪で目つきが鋭いということから不良に分類されがちだけど、金髪なのは母親が外国人でハーフだからみたい。
でも常に怪我してたら不良と思われても仕方ないよねぇ。
「いらっしゃい、また怪我したの?」
「…」
「噂になってるけど、毎日喧嘩三昧なの?」
「…喧嘩はしてねぇ」
おや、珍しく喋ってくれた。
いつも喋ってくれないんだよねー。
痛い?とか聞いてもだんまりだし…
「喧嘩じゃないのにこの怪我は何?」
「…」
あちゃー、地雷踏んだかな?
だって気になるでしょ?こんなに毎日痣とか傷つくってさ。
まさかとは思うけど…ね?
「はい、手当て完了〜。帰っていいよー。
…って言いたいところだけど、君のその怪我の原因教えてくれない?こうも毎日だと心配なんだよね。喧嘩ならまだしも、違うみたいだし?」
「いや…それは…」
「言えない?なんかやばい事でもしてる?」
「えと……」
「まさか親とかに暴力振るわれたりしてないよね?」
「…っ」
図星か…。まぁ殴られたような痣に、たまに見える根性焼きの痕。他にも縛られたような痕とかも見えたからね…
「少しずつでいいから先生に話してみない?」
「っ…俺…昔から父親に…」
彼方くんは少しずつだが話してくれた。
最初は幼稚園くらいに妹が生まれた事をきっかけに無視から始まった。
小学生になったら暴言や平手打ち。いくら勉強が出来て成績がよくても、可愛くないとか適当に理由をつけられて虐待されていたらしい。
中学生にあがってからは殴る蹴るは当たり前。
歯向かおうものなら寒空の中に薄着で放り出される程。
そして今に至ると…
「母親や妹は…」
「母さんは今入院してて…、妹は父さんと一緒に…」
驚いた。味方が誰もいない…。
これは学校側が味方になるしかない…
「彼方くん、これは大問題だ。放っておくわけにはいかない。」
「でも…」
「大丈夫。学校が味方する。もし味方になってくれなくても俺だけは味方になるから」
「ありがとう…」
俺は彼方くんを連れて校長室へ行き先程の話をした。
校長先生が味方についてくれたので一先ず安心だ。
でもこのまま彼方くんを家に返していいのだろうか…
「彼方くん、これからどうする?君が大丈夫なら私の家に来てくれた方が安心なんだが…」
「あー…多分大丈夫…。友達の家行くって言えば許してもらえると思う…」
本当に大丈夫なのか?偏見かもしれないが、こう言う家庭なら外泊など許されないのでは?
彼方くんの父親はそこまで関心がないのか…
でも本人が大丈夫と言うなら大丈夫か…。
「じゃあもう少し待っていてくれるかな?仕事が終わったら一緒に行こう。」
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