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ウワサ①
R18 不良(?)
「ねぇ、知ってる?この間聞いた話なんだけど…」
「え?なになにー?」
街中で最近噂になっていることがある。
道で人とすれ違う度にその噂にを耳にする。
その噂というのが…
「で、聞いた話ってのがさー…」
「勿体ぶらないで早く言えよー!」
「わかったって!笑」
「最近出るんだよ」
「出るって…幽霊とか?」
「違う、違う!狂犬だよ!」
「はぁ?狂犬?なんだそりゃ」
そう、狂犬が出るという噂。
とは言っても本当に狂犬が居るわけじゃない。
通り名みたいなもんだ。
「なんでも夜に路地裏にソイツは現れるらしい。」
「え、通り魔みたいな?」
「あー、ちょっと違うんだよ。なんか人助け?してくれるらしいんだよね」
「…どういう事だ?」
狂犬についての噂は色々ある。
正義の味方…殺人鬼…ただの妄想…
誰も見たことがないのでは?というくらいに曖昧なものだ。
そんな狂犬を僕は今日も探している。
何故かって?
そりゃあ興味があるからだよ。
こんなにも噂になっている人物が気にならないわけがない。
人とは決まってないかもしれないけどね。
あ、そうそう自己紹介がまだだったね。
僕は如月 瑠伊 。大学3年生だ。
ちょうど冬休みで暇してたところにこの噂が流れ込んできた。
元々、オカルトとか都市伝説が好きな僕にとっては最高の案件だ。
別に誰かに調べて欲しいとかは頼まれてないけど、そんなのどうだっていい。
噂の人物が実在するのかどうか。それさえわかればいいんだ。
とりあえず噂を整理しよう。
人物像についてだが…
・ただの泥棒
・華奢な女
・獣のような耳が生えている
この3つをよく聞く。
僕はどれも違う気がするけど…
で、次はどこに現れるか。
これは一律して夜の路地裏だ。
現れるタイミングだけ色々言われている。
自分がピンチに遭っている時、何かに悩んでいる時、または悪さをしている時…
この情報を見るに、とりあえずは夜の路地裏に張り込むしかない。
噂になっている場所も見つけたから今からそこに向かう。
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時刻は23時を過ぎたところだ。
まだ現れそうにない。
…と思ったがあっちの方から人の気配がする。
まさか噂の人物か…!?
「………で…!」
「…………よ…」
2人いる…?
…ガタッ
「あ?誰だァ?」
やばい、ただのチンピラに遭遇しただけだったみたいだ…
「い、いえっ僕はただの通りすがりですっ…!」
「てめぇ、金持ってそうだなァ?」
「アニキに渡せやコラァ!」
「ひ、ひぃ…」
これだからチンピラは嫌なんだ!
うちの学校の不良の方が可愛いわ!全く!
…にしてもこの状況をどう脱却しよう…
「何ブツブツ言ってん…ガッ…」
ドサッ…
「アニキ!!テメェ!!アニキに何を!!…ギャァ!!」
え、何が起こっている???これはもしやあの噂通りなのか???
「「す、すみませんでしたァァァ」」
ドタドタドタ
「あ、あのー…ありがとうございます…」
「謝るくらいなら最初からやらなきゃいいのに…」
間違いない、これは僕が探していた人物に違いない!!
「君、この辺物騒だからあまり近づかない方がいいよ」
「あ、あの!ちょっとお話ししませんか!!」
「…は?」
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「…で、君は俺を探していたと?」
「は、はい!!噂を聞いてから気になって気になって!!」
ついついテンションあがって家に連れ込んでしまった…。
「そう…とは言っても別に俺は特別何かあるわけじゃないけど」
「質問とかしてもいいですか!!」
「…どうぞ」
好意に甘えて様々な質問をさせてもらった。
「大学生…ですか…」
「意外?てか多分君と同じ大学だよ。見たことある。」
「ええええ!?まじですか!!しかも同学年ですよね!?え、まさかこんな身近なとこに!!」
「…落ち着いてくれるかな」
「ああああ、すみません、すみません!」
僕としたことがつい出しゃばってしまった…
落ち着けるわけがない!興奮しっぱなしだ!
都市伝説に近い物の正体がこんなに近くに…!!
「ねぇ…君そんなに俺に興味あるの?」
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