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アキコの目を盗み、密かに密かに繰り返す行為。
自分の手で手折った薔薇が、自分の手の中で艶を含み、色を増して鮮やかに咲き誇る姿を恍惚と見詰めた。
愛していると囁くと、同等の重さで返ってくる想いに今まで空虚だった何かが満たされる思いがした。
愛しい存在。
娘としても…
女としても…
伴侶としても
そう言った行為において、絶対にしてはいけないと注意を払っていた事が一つだけあった。
娘を抱く禁忌。
それでも、踏みとどまらなくてはならない事が…
「どうした?具合悪いのか?」
弁当が作れないと具合悪そうにするショウコを見て、胸の内がひやりとしたモノが過った。
なんとなく…アキコが身籠った時に似ていると、頭の奥に警鐘が響く。
もしや…と、
そんなはずない。
その言葉を繰返し繰返し紡いだ。
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