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ショウコのイメージが強すぎたのか、「この子です」と言われても曖昧に笑い返すしか出来なかった。
華やかな顔立ちに、凛とした風情だったショウコ。
目の前の子供は、そんなショウコにどこも似ていなかった。
細い体はどこかマッチ棒の様で…おどおどとした態度は神経を逆撫でするかのようだった。
けれど…涙を滲まてせこちらを見上げたその大きな瞳だけは、幼い頃のショウコを思い出させてくれた。
楷を家に連れ帰った日、その行動の端々に今まで彼が歩んできた辛酸を舐めるような生活を垣間見た気がした。
怯え、こちらの様子を伺うその姿には、哀れみのみをただ感じた。
楷をもっとも哀れだと思ったのは、彼が私の布団に潜り込んできた時だ。
ふぅ…と、その感触に意識が戻った。
余り深く眠れなくなっていた私は、夢現の中で下半身を舐めるその感触に飛び上がった。
見れば、震えながらこちらを見る楷の姿があり…
「オジサンが、家に居たかったらこうしろって…」
それだけで、この小さな体に行われてきた行為を知る事が出来る。
ショウコの面影を持つその子が、訳もわからないまま蹂躙されたのかと思うとジリジリとした嫉妬心が燃え上がるようだった。
彼を諭し、宥め、……沸き上がった独占欲をどうにかしたくて、楷に一緒に寝ようと提案した。
今まで彼に何が起こっていたのだとしても、今この腕の中にいるのだと…誰とも知れない相手に勝ち誇りたかった。
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