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彼はたった独りだから。
私がいなくなれば独りぼっちになってしまうから。
……
せめてその心の支えになるように、言葉を遺したかった…
今わの際に、
「───楷、愛していたよ」
泣きじゃくる君への愛しさを、ショウコへの愛だと勘違いしないでいれたなら…
君をもう少し幸せにできたろうか?
そしてショウコは…彼を愛しく思うことを赦してくれるだろうか?
───ごめんな
必死に伝えたくて口を動かすけれど…
「ごめんな。ショウコ」
楷が愛しい
ただ、
ただ、
愛しい…
願わくば、全てを塗り込めたあの小さな箱庭で、薔薇に埋もれた彼が幸せであるようにと…
それだけを願う…
END.
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