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 熱い指先が腰に添えられた時、かつて俺の体を蹂躙した脂ぎった手の事を思い出した。 「…っ……」 「滑らかだ、な」  彼の感想はやはりかつて俺に虐待をした男の言葉を思い出させて…  全身が一瞬で冷えた。  なのに汗は噴き出して、胃が縮み上がる。 「これが、君の仕事道具と言うわけだ」 「っ!?」  彼の視線の先のことを言われ、酷い侮辱の言葉を吐かれているはずなのに俺はただ震えるしかできない。  動いた空気が、彼の手が近づいたことを知らせる。 「―――――――っ」  噛み締めた唇から血の味が滲む。  ソコは他人には長らく触れさせてはいないが… 「こんな安易に、入るものなのか?」  ぐっと差し込まれた他人の体温。  いつもの馴れた自身の手の体温ではないそれに、酸いものが喉をせり上がってきた。 「い、やだっ  止めてください!こん…な……何の権利があってここまで………」  忍さんの指を根元まで咥えこんでいるのがはっきりと分かる。  自分で慰め続けたそこは、その程度の物はあっさりと受け入れてしまえるようだった。 「やはり君は、男娼なのか」  問いかけではなく、決めつけの言葉だ。  誰に迷惑をかけるわけではない…と、夜毎独りで自身を慰めている事が仇になるなんて思いもしなかった。 「違いま……    ぁ、 あああああああ」  ビリっと皮膚の引き攣れる痛みに、大きく口が開いた。 

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