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「どうして、否定しないんだっ」
否定なんて、
したところで、誰も信じたりしない、
今までがそうだったように、これからも…
『あいつガ誘ッテキタカラ』
そう言えば周りはそれを信じた。
俺の言葉なんかはその前には霞も同然で…
俺には諦めて、心を固くして黙って俯くしか道はなかった。
「やはり、君は…っ」
深く皺を刻んだ苦しそうな表情は、初めて忍さんが家に来た日に見た物だ。
激しく感情を見せたその顔は、怒りや軽蔑と言ったものではなく…
ぽとん と目元に落ちてきた雫が忍さんの心を語り出す。
あっと言う間に俺の体温を吸って温くなった涙が俺の背中を押したような気がした。
「―――違うっ!!」
くゎん…と耳鳴りがして、耳が一瞬聞こえなくなったのが自分が大声を出したからだと言う事に気付いたのは、ぽかんとした表情で動かない忍さんを見てからだ。
嘘を言うなと、なじられるだろうか?
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