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第2話
自分の部屋より1つ手前の部屋のドアをノックする。
当然返事はないので勝手に中に入った。
「夜宵ー、朝だよー。」
声をかけてもベットの上でもぞもぞと動くだけで反応はない。
小さくため息をついてから無理矢理掛け布団を剥ぎ取ると小さく唸る声が聞こえる。
「夜宵起きて、美雪さんに怒られるよ。」
そう言って揺すってみると、眠たげな琥珀色の瞳がこっちを見た。
「.......布団返せよ。」
「何言ってんの。ダメに決まってるだろ、早く起きて。」
もうこうなったら無理矢理起こそうと決めて腕を引っ張るけど、不機嫌な猫みたいに唸られる。
諦めて美雪さんに言われたとおり頭を軽く引っ叩く。
「いっ!?」
「起きないのが悪い。」
「....最初の頃の謙虚さはどこに行ったんだか。」
「仰々しいのが嫌だって言われたから遠慮するのやめたんだけど?」
頭を掻きながら起き上がった夜宵に「僕は起こしたからね」と言って部屋を出る。
そして自分の部屋に戻って制服に着替えて下に降りた。
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