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第5話

放課後、屋上に出て色々写真を撮ってみる。 その最中も部活動に励む学生の声が聞こえてきてなんとなく下を見下ろした。 夜宵には「今日はコンテスト用の写真を撮るから先に帰ってて」と伝えたので今は一人だ。 まだ明るすぎて撮りたい写真が撮れないため寝転んで空を見る。 今は5月。 夜宵と出会って6ヶ月。 もうそんなに経つんだと少し驚く。 元々、僕と夜宵は家族でもないしなんなら同じ中学出身でもない。 家族のことで何もかもどうでも良くなって、死に方を考えながら歩いていたときに夜宵に声をかけられた。 その後、少しずつ会うようになって夜宵の家にお世話になるようになって現状に至る。 中学の時に担任に勧められて参加した写真の展示会のようなもので僕の存在を知っていたらしく、それで声をかけたとあとで聞いた。 だとしても初めて喋った相手を家につれて帰るのはどうなんだと思ったけど、夜宵のお父さんやお母さんもすんなり受け入れてきて面食らったのを覚えている。 その後も話を聞いてくれたりそれならうちにおいでと言ってくれたり、本当に黒川家には助けられてばかりだ。 夜宵は普段口が悪いけど根は優しいしかなり過保護だ。 そろそろ写真を撮って帰らないと心配して迎えにきてしまう。 それは流石に申し訳ないので立ち上がって撮影を再開した。

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