帰り道を歩いていると案の定端末が鳴る。 こういうときにかけてくるのは一人しかいない。 本当に心配症だなぁなんて考えながらポケットから取り出して耳に当てた。 「もしもし、夜宵?」 癖で画面を見ずに出たため一応聞くと 《…お前、さてはまた画面見ないで出ただろ。 あれだけ確認してから出ろって言ってるよな⁉ 知らないやつだったらどうするんだ⁉》 とそのままガミガミと電話越しに説教を食らう。 「確認しろって言っても… この番号知ってるの、夜宵と悟さんと美雪さんだけだし…。」 心配し過ぎだよと返すと電話の向こうから「は⁉」と起こる声が聞こえてくる。 あ、これ長くなるやつ。絶対長くなる。 そう確信して急いで話題を変える。 「あ、そういえば! 電話してきたのってなんか用事あったんじゃないの？」 《ん？あー、お前今どこにいる？》 「今？えっと…公園前くらいかな。」 そう答えると「わかった」と言って電話が切れた。 これは迎えに来そうだなぁと思っていると案の定少し歩いた先で夜宵と居合わせてそのまま一緒に帰宅した。