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第2話 視線

 視線を感じる。  また、だ。  それなりに不良で通っている少年を見つめ続けるヤツはそうはいない。  アイツやな。  少年は振り返る。  陸上部の有力選手、しかも、成績優秀。  少年とは住む世界が違うアイツが 、教室の後ろから少年を見ていた。  授業中はかけているメガネが、真面目な感じを増している。  アイツは少年が振り返っても少年を見つめることを止めない。  それどころかまるで少年の目を覗きこむかのように見つめ続ける。  視線をそらしたのは少年の方だった。  なんやねん、アイツ。  どういうつもりや。  少年は胸がざわつく。  まるで、少年の中に入ってくるような、不穏な視線だったからだ。  気にいらへん。  少年は机の上で腕を枕に眠りながら思った。  アイツ、しばかなあかん。  まだ、視線を感じていた。   首筋に、その視線がささる。  アイツ、なんや。  少年は認めなかったが感じていた。  ぞくりとする、喰われるような感覚。  ・・・アイツ、怖い・・・。  それは恐怖だった。  決して認めなかったけれど。  少年へのソイツの視線は 、初めて会った入学式の時からずっと続いていて、それでも少年は無視続けてきた。  関わってはいけない気がして。  あんな真面目な、住む世界が違うようなヤツと、少年に接点などないだろうと思って。  あんなヤツと喧嘩しても自慢にもならんし。  俺みたいなんが珍しいだけかもしれん、と。  でも、屋上でタバコを吸っているとき、突然現れたソイツがすぐ目の前で、遠慮なく少年を見つめ始めた時にとうとう少年はキレた。  タバコを踏みつけて消した。  ソイツの胸ぐらを掴んで怒鳴った。  「お前なんやねん!一体俺に何の用やねん、何で俺ばっかり見てんねん」  もうすぐ授業が始まる。    ここには誰も来なくなる。  丁度いい、すっきりさせてしまおう、少年はそう思ったのだ。  少年に胸ぐらを掴まれているのに、ソイツは笑った。  ソイツの背が随分高いことに気付いた。  肩も広い。  そう言えば、運動部のスター選手やったな。  少年は喧嘩は強かったが、どちらかと言えば小柄で、習った空手の技術で補っていた。  もしかしたらこいつ、喧嘩強いのかもしれへん。  少年は思った。  面白いやないか。  喧嘩は大好きや。  「オレと喧嘩したいんか、お前」  少年は笑った。  そういう話やったらわかりやすい。  今までのわからないからのこその怖さが消えた。  ボコボコにしたる。  「喧嘩・・・」   ソイツはまた笑う。  なんや、こいつ。  少年は戸惑った。  コイツの視線、おかしいわ。    何でこんな風に見るんや。  なんで、目だけで、オレん中に入ってくるんや。  怖い。  喧嘩などでは感じたことのない怖さだった。  胸ぐらを掴んでいるのはこっちなのに、何故か圧される。  視線が身体の中に入ってくる、まるでソイツの身体が身体の中に侵入してくるようで。  「僕がしたいんは、喧嘩やない」  ソイツは静かに言った。  初めて交わした言葉だった。  入学式の日から、半年。   見つめ続けられていたのに。  思いのほかかすれた声に戸惑う。   こんな声やったんや。  ふと思う。  「ほんなら、なんや!」  少年は怒鳴った。  圧されたらあかん。  なんや、コイツ。  不意に後頭部を掴まれた。     頭突きされるのかと思って構えた。   違った。  ソイツが少年にしたのはキスだった。   優しく唇が重ねられ、少年の唇を挟むように動かされた。  呆然としていたら、唇を舌で割られ、口の中に舌が入ってきた。  舌を引き出されるように絡められる。  そこで少年は我にかえった。  でも、引き離そうとしても、すごい力で抱き寄せられる。  口の中に生き物のように舌が入ってくる。  熱い生き物が、侵入してくる。  少年は実はキスをしたことなどなく。  口ん中、ぐちゃぐちゃにかきまわされて、なんや、これ。怖い。     少年は怯えた。  唾液があふれ、飲まされる。   自分の中に他人が入ってきて、好き放題されているのだ。 「犯されている」、その言葉が頭をよぎった。  しかも、ズボンの上から股間のものをもみしだかれた。  それは、巧みで思わず少年は反応してしまった。  塞がれた口の中で少年は呻き声を漏らす。  それに勢いづいたように、指はベルトを外し、チャックを下ろし、下着の中に入っていく。  直線触れられた。  直接指でされる行為は 、生まれて初めて他人に触れられされる行為は、あまりに淫らで、少年は身体をのけぞらせた。  その間にも、キスは続けられていた。  口の中に知らない感覚が生まれる。    溶け合うような、口のなかで、相手にとけてしまいそうな感覚で、変になる。  この行為を続けたくなる。  息ができなくて、ぼんやりしてくる。  舌が淫らに口の中を犯し、  指はそこでイヤらしく動かされる。  それは自分でしたことしかない少年にはあまに淫らで。  少年はソイツの手の中に、白濁をはきだしていた。  少年は混乱する。  何をされたかも分からない。  何で学校でこんなことになってんの?  何でコイツにこんなことされてんの?  「・・・僕がしたいんはこういうことや」  ソイツのかすれた声が囁いた。  ズボンを膝まで下ろされ、射精までさせられたことに少年は混乱した。  「キスもあんまりしたことなかったんやな、自分、慣れてへんからすぐわかる」    抱き寄せられ囁かれて少年は赤くなった。  「お前ふざけんな!」   少年は怒鳴った。  「そんな格好で怒っても可愛いだけや、気持ち良かったやろ?」  また扱かれる。  「やめろや、アホ、しばくぞ!」  少年は怒鳴る。  でも 、その手の気持ち良さに悶えてしまう。  「なんや、自分、エラいオボコイやん。恥ずかしいんか?友達と擦りあいっこもしたことないんか?エラい可愛いな」  ソイツにクスクス笑われ、少年は真っ赤になる。  「擦りあいっこ?」  喧嘩は好きでも、性には疎い少年は友達とそういう話をするのも苦手だったし、こんなことを友達とするという知識もない。  「するやろ、普通。一緒にエロいDVDとか見ながら」  ソイツは涼しい顔で言う。  「そう、なんか?」  皆することだと言われたら、少年は少し安心した。  また巧みに指が動く。   でもよく知りもしないコイツと何故屋上で・・・。  色々感じた疑問が気持ち良さに吹き飛ばされる。  少年は喘いだ。  だらだらと先から漏れていく。  「僕のも一緒にするな、ええやろ?」  ソイツは自分のチャックを下ろし、自分のモノを取り出した。    すっかり立ち上がっていた。  でかくて固かった。  それを少年のモノにこすりつける。   少年はその感覚に呻いた。  「握って」  囁かれ、言われるがままソイツのを握る。  握った時、ソイツが笑った。  それは、あまり、良くない感じの笑い方なように思えたけれど、気持ち動かされる指が気持ちよくて、考えるのをやめた。  みんなしてるんや。  その考えは楽にした。  「僕のも動かしてや」  甘えるように囁かれ、自分でするように動かす。  「たまらんわ」  息を荒げ囁かれた。    自分よりも上手いソイツが、自分の拙い指に興奮するのかわからなかった。  お互いに出し合った。  確かに気持ち良かった。  人にされるんはええ、そう思った。  「お前は、なんや、俺と友達になりたかったんか?」  少年は気恥ずかしくて、顔を合わせずに言う。  「・・・友達というより、自分とこういうことをする仲になりたかったんや」  ソイツは薄く笑いながら言う。  「絶対、自分としたら気持ちええって分かってたんや」  ソイツの言うことが少年には理解できない。  でも性的なことは言い出しにくいことはわかる。  だから、ずっと見ていたのかと勝手に納得する。  友達と一緒にオナニーしようなんて少年には絶対言えないからだ。  でも、確かに一人でするより気持ち良かった。  「ほんなら 、もう、ええやろ」  身体を離そうとする。  コイツは得体がしれないけれど、今日は気持ち良かった事は間違いなく。  それで勘弁してやってもいいし、理由がわかっただけ安心した。  「まだや。もっと気持ちええこと教えたる」  耳を噛まれた。  何故か身体がピクンと震えた。  「もう、ええって」  少年は怖くなってきた。   あれより気持ちええって・・・怖い。   「オボコイなぁ」  馬鹿にしたように言われて、ムキになる。  「ほんなら、ちょっとだけやで」  アイツはニッコリと笑った。  その笑顔は何故かドキリとさせられるような笑顔だった。  「何でそんなところ弄んねん」  少年は怯えた。  精液をなすりつけられ、指を入れられそうになっているのは肛門だったからだ。  少年は屋上のコンクリートの上に横たえられ、上からソイツにのしかかられていた。  「可愛いなぁ、前しか弄ったことないやろ」  からかわれるように言われると、何か馬鹿にされたような気がして、少年はソイツを睨みつける。  「怒んなや、色んなところで気持ちようなれること教えてんねん。風俗のお店でも、こうやってくれるし、自分でしよるヤツも沢山おるんやで、めちゃくちゃ気持ちようなる」    そう言われると、好奇心もあり、少年はその指を受け入れた。  プロのお店の人もそうしてくれると言うのは、刺激的な言葉だった。  「・・・気持ちようしたる」  首筋を舐められ、囁かれた。  「みんなこんなん、してるんか?」  少年は不安になった。  「僕はお前に、特別に気持ちええことを教えてやってるんや」  真顔で言われて、無理やり自分に納得させる。  教えてくれてるんや、これは。  教えてくれてるんや。  指が入ってきた。    キスの初めと一緒で、自分のモノではないものが入ってくることの違和感。  「キスも、されてるうちにようなったやろ?ちょと我慢し」  囁かれた。  友達とはキスをしないのではないか、とやっと思い至ったけれど、穴と同時に前も扱かれ、その感覚にどうでも良くなった。  穴の中にある一点を指で擦られた。  知らない快感だった。  「ああァ!」  女みたいな声が出た。  身体が痙攣した。  また擦られる。  「いや、やぁ」    少年は怯えた。  「こんなんしらん、こんなんやめろや」      少年はソイツの胸の中から出ようともがく。  「怖いんか?」  意地悪くささやかれ、少年はもがくのをやめた。  本当は怖かったからだ。  「怖いんやったら止めたるわ、しゃあない」  ため息をつきながらソイツにいわれた。   少年はムキになる。    こんなヤツになめられんのはいやや。  「怖ないわ、アホ」  怒鳴る。  ソイツは嬉しそうに笑った。  優しい笑顔だった。   「そうか 、ほんなら続けるで」  また指が穴の中で動いた。  擦られた。  少年は身体を痙攣させ、声をあげた。     射精していた。  射精したのにやめてもらえなかった。  「あ、もう、ええ、ええねん、もう出えへん」   少年の言葉にソイツは笑った。  「出えへんでもイケるんや」  指を増やされた。  回され、擦られた。    何度も射精させられた。     出てないのに、射精するような快感がするまで、そこを弄られた。  前は触られず、後ろの穴だけでイカされ続けた。  ソイツも少年の太ももに自分のモノを挟ませ、擦って何度もイった。  それがスマタと言われる行為であることは少年は知っていた。  こんなこと友達とするんやろか。  でも、ソイツのモノと自分のモノが擦りあうのはとても気持ちよかった。  「気持ち良かったやろ・・・」  髪を撫でられ、抱きしめられた。  こんなオナニーおかしい、と少年は思ったが、疲れ果ていた。  こんなに出したことはなかった。   しかも、学校の屋上なのに。  「ドロドロやな」  ソイツはクスクス笑った。  少年は自分のモノとソイツの精液でドロドロだった。  いつの間にか脱がされたズボンだけは無事だったが、シャツはひどい有様だ。  顔にも精液が飛んでいる。  「ちょと待っとき、ロッカーに体操服あるわ、タオルも濡らしてもってきたる」  ソイツは優しく言った。  「もう授業も終わってるしな、誰もおらんわ」  何時間もコイツとそうしていたことを少年は知った。    足腰立たない少年を、抱えるようにして、ソイツは家まで送ってくれた。  「ごめんな」  少年は素直に謝る。  重いだろうと思ったからだ。  しかも、ソイツは部活をサボって送ってくれてる。  「・・・まあ、俺のせえでもあるし、てか、自分ホンマに・・・」  ソイツは謝られて複雑な顔した。  「ホンマに、なんやねん?」  少年はその声の中に呆れた調子を嗅ぎつけて問い返す。  「・・・可愛いなあ、思ったんや」  ソイツは笑った。  「馬鹿にすんなや」  少年は怒る。  「ちゃうちゃう。不良のくせに、エラい素直やな 思ったんや」  ソイツの目がひどく優しい。  馬鹿にしているわけではないようだ。  「体操服、また返すわ」  ドロドロのシャツはソイツがどこからかもって来たビニールに入れてカバンにいれてある。  家の前まで送るとソイツは言った。  耳元で。  「また、な」  その声にドキリとした。  また、あれをするのか。  もう、いい、そう思った。  あれは怖い。  すごく気持ちいいけど。  少年は立ち去るソイツの後ろ姿を見つめていた。  次の日、ソイツから、もう、あんな視線は送られなくなった。  少年は安心した。  休み時間にいつの間にか隣りに立たれ、囁かれただけだった。    「今日も部活休むから、僕の家に寄りや。一緒に帰ろう」  それだけ言うと返事も聞かずにソイツは離れた。  少年は戸惑う。  一緒に帰る?  アイツの家に寄る?  それはつまりまた、屋上でされたことをすると。  股間が疼いた。  何故か後ろの穴も。  覚えたばかりの快感が欲しかった。  それでも、校門までは逃げた。  ソイツが声をかけて来るまでに帰ろうと。  でも、走って追いかけて来られ、肩を抱かれて囁かれたらもうダメだった。    「何、逃げてんの、怖いんか?」  そう囁かれた。  そのかすれた声にゾクゾクした。  昨日散々ささやかれた声だ。  それだけで 、股間に熱がたまる。    「怖くなんか、あらへん」  少年は強がった。  怖かった。  コイツ、俺を変えてまう・・・。  「ほな、行こうか」  ソイツは笑った。  指か少年の首筋を撫でた。   それだけなのに、少年は喘いでしまった。  ダメだと思っているのに、少年は逆らえなかった。  ソイツは一人暮らしだった。  「お前一人で住んでんの?親は?」  少年は驚く。   「僕がちゃんとした成績しとる限りは、好きにさせてくれんねん」    ソイツは笑った。   ベッドの上に座らされていた。     キスされる。  入ってくる舌に自分から舌を絡めていく。  ああ、気持ちいい。  他人の唾液を飲むことに抵抗がないのが自分でも怖い。  「昨日とは違って慣れてきたやん」  ソイツが自分の唇をぬぐいながら言った。  その仕草にドキリとした。  ソイツの指が少年の股間へと伸ばされた。  ズボンの上からなぞられる。  「もう勃ててるやん、期待してんねんな、可愛いわ」  にこりとソイツは笑う。  「馬鹿にすんなや」  少年は怒る。  宥めるようにだきしめられ、髪を撫でられた、  「馬鹿にしてへん、楽しみや、思ったんや。今日はもっと教えたる」    もっと、や。  ソイツにそう囁かれたらまた股間が疼いた。  「何で、服脱ぐねん」  シャツのボタンをはずされ、脱がされながら少年は言う。  オナニー一緒にするだけで、何故全裸になる必要が有るんや。  「昨日服汚したやろ、全部脱ぎ。恥ずかしないやろ、男同士やねんし」   そう言われて、納得した。  ソイツも全部脱いだ。  ソイツのそこも少年のと同じで立ち上がっていた。  また擦りあいをするのかと思ったら、ベッドに押し倒された。    「何すんねん」     少年は慌てた。  ソイツが少年の乳首を舐めたからだ。  「知らんの?ここも気持ちええところや、教えたろ」  ソイツが言った。  舐められた。  むずがゆさがあった。   熱い舌が丹念にそこを舐めた。  「はぁ」  思わず声が漏れた。  甘く噛まれた。  ピクン、身体が痙攣した。  気持ち良かった。  「気持ちええ」  素直に少年は喘いだ。  「慣れたら、ここだけでイけるようになるんやで。またゆっくり練習しような」  ソイツは少年に囁いた。  指で乳首を摘ままれ少年は喘ぐ。  「もうええやろ、触ってや・・・」  少年は懇願する。  触って欲しいのが前なのか、後ろなのか解らない、でも、溜まりに溜まった熱を出して欲しかった。  「・・・煽るんやない。こっちも辛抱してるんや」  そいつの息が荒くなった  身体をひっくり返された。  穴に何か冷たいものが注がれた。   「何?」  驚いて少年が聞くと、ソイツは言った。  「ローションやこれでもっと気持ちようなる」  指が入ってきた。  その指がくれるものをもう、少年は知っていた。  「指 、締め付けてるで。覚えがいいなぁ、ホンマに」  ソイツは笑った。  かき混ぜられ、擦られた。    「気持ち、いい」  少年は喘いだ。  擦られるのが良かった 、自分で前を扱くだけのオナニーではこんなのは味わえない。  自分で前を擦ろうとしたら、その手を止められた。  「昨日も最後は後ろだけでイってたやろ、後ろだけてイき、その方が気持ちようなる」  ソイツは少年の指先にキスをした。  指が増やされ、擦られた。   「あああァ!」  少年はイった。  後ろを弄られるだけで。  「ホンマに覚えがいい」  ソイツは嬉しそうだった。   でも、不安そうな顔になった。    「でも、こんなに流されやすいと云うか、騙されやすいんは、不安になるなぁ・・・僕以外にも騙されそうや。僕以外とせえへんようにしなあかん」     ソイツの呟きの意味が少年にはわからなかった。  ただ、また指を入れて欲しくてソイツにすがりつく。  まだ欲しかった。  気持ち良かった。  そんな少年を宥めるようにソイツは抱きしめた。  「なあ、自分ばっかり気持ちええわけやん?僕は色々してあげてるやん?僕も気持ちようなってもええ?」  ソイツは少年の耳を噛みながら言った。  少年は正気に返る。  確かに。  少年ばかりがされてる。  二人でするオナニーなら、俺もアイツにしたらなあかんよな。  「ええよ、俺でもどうしたらええかわからへん、指入れるんか、乳首舐めたらええんか?」  少年は言った。   ソイツは笑った。  嬉しそうに。   「いや、僕にここ、入れさせて」  指を入れて擦られた。  声をあげる。  それならもうしてるやん。  少年はそう思った。  指を抜かれた。   固い大きなモノを押し当てられて、少年は混乱した。  ソイツは少年のそこに自分のモノを入れようとしていた。  「何すんねん」  もう先端がめり込んでいた。   「力抜かへんと自分が痛いで」  ソイツが囁く。  痛い。  痛い。   「力抜けや、なぁ」  乳首を舐められ、前を扱かれた。  快感が生まれ、力が抜け た。  全部押し込まれた。  「なんやねん、これ、こんなん、こんなん、オナニーちゃうやん、セックスやん」  少年が叫んだ。  「・・・アホやなぁ、一番最初からセックスや。こんなこと友達とするかいな」  愛しげに顔をなでてながらソイツは少年に囁いた。  「だから、他のヤツとこんなんしたらあかんで?僕以外にもう触らしたらあかんで?」  少年がソイツのモノに馴染むまで、ソイツはそう囁きながら、少年の乳首を指で弄っていた。   少年は意味が解らないで混乱していた 。  ただ、圧迫感にあえいでいた。  「まだ、わからへんのか?自分、僕とセックスしてるんや。ホンマ、アホな子ほど可愛い言うけど、ホンマにもう、可愛いわ」  ソイツは愛しげに言った。  少年は目を見開く。  「みん・・なこれ、くらいしてる・・言うて、友達と一緒にオナニーするって・・・」  「嘘に決まってるやろ、アホ。せいぜい一緒にエロいの見て自分でしごくくらいや・・・信じるか、普通。ホンマ、可愛いわ」  ソイツに唇にキスされた。  また舌が入ってくる。  少年は思わず応えてしまう。  ゆっくり動かされる。  痛みに、うめく。  「痛いか?でも、ようなる。気持ちようなる、我慢し」  髪を優しく撫でられる。   痛くしているのはソイツなのに、その指が、心地よくてその手にすがりつく。  「ずっと、自分の中に入りたかったんや・・・夢みたいや・・・」  夢見心地に囁かれる。  指で擦られていた場所を、ソイツのモノがえぐった。  「ああァ!」  少年は声を上げた。   指よりも大きなモノで擦られるのがすごく良かった。  「ここやな」  ソイツがそこを自分のモノで擦りはじめた。  「あ、あァ、気持ちいい、そこ、あ、あァ」  少年は思わず声を上げた。  「気持ちええか?、僕もええ・・・、もっと気持ちようなり・・・」  ソイツは少年の乱れる姿を愛しげに見つめていた。  奥を突かれた。  まだ、違う快楽があった。  気持ち良かった。  回されるのも、抉られるのも、ゆっくり擦られるのも。奥を突かれるのも。  男とセックスしてるということに対する拒否感は不思議な位なかった。  少年は簡単に理性を手放した。  ソイツにされるこどが気持ちいいことがわかっていて、ソイツについて来てたから。  それが本物のセックスだと分かったところで、もうどうしようもなかった。  声を好きなだけあげた。  自分も動くとさらに気持ちいいことがわかって、自分からも動いた。  入れながら、乳首を責められるともっといいことも知った。  自分の指でも弄った。  「あかん、エロすぎるで、自分・・・」  耐えられないように言ったのはソイツだった。  何度も中に出された。  すぐに回復してまたつっこまれた。  気持ち良かった。  「中で擦って、胸吸うてや・・・もっとして・・・」  朦朧と口走る。  「あかんて 、ホンマあかんて、自分 。ヤリ殺してまうやんか」  ソイツは首筋に歯をたてながらいった。  噛まれ、吸われる。  噛み痕と、吸われた痕。  所有の印をソイツは刻みこんでいた。  何度も何度も何度も。  少年はソイツに貪られ、少年もそれを受け入れた。  少年もソイツもなにも出なくなるまで、それは続けられた。    気を失った少年を抱きしめながらソイツは思う。  起きて正気に戻ったら 、めちゃくちゃ怒るやろうな、コイツ。  でも、騙されるか、普通。  思わず笑う。  可愛い。  ホンマに可愛い。    アホやけど可愛い。  ずっと抱きたかった。  でも、我慢してた。  コイツがノンケなんはわかっとったし。  僕がゲイやとわかったら、僕の両親は僕を家から追い出した。  家に恥ずかしくない成績さえとってたら、もう何も僕には構わない。  そんな風にコイツにもまともに告白して拒絶されるんは嫌やった。  でも、触ってしまったら、ホンマにコイツ快楽に弱くて。  僕にヤられても、もう気持ち良かったらそれでええみたいで。  ゲイやからって僕を拒絶する事は無さそうだ。  でも、これだけ快楽に弱いのはそれはそれで心配になる。  「教えなあかんな、この身体にとことん教えこまなあかんな・・・僕やないとあかんことを」  髪を撫でる。  「ホンマ、アホで、とことん可愛いわ」   これからが楽しみだ。     「好きやで・・・言うてへんかったな」  ソイツは優しく少年の髪に唇を落とした。 END

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