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第3話 放課後2

 「いやや、もう、あかん」  そう泣きじゃくる諦めの悪い教師を少年は背後から抱きしめた。   ボタンを全部外されたシャツから白い胸がはだけている。  教師はまだ若い男で、線の細い身体をしていた。  度の強い眼鏡の下に整った顔があることは少年だけが知っている。  今は眼鏡はとりあげられ、繊細な顔立ちが露わになっている。  淡く色づく乳首が淫らに白い胸をかざっていた。  それを少年は手のひらでその胸の薄さを撫でて楽しみ、指先で尖りをいじり出す。  ここがヨワいのは知っているのだ。  「もう、いいかげん観念しぃや。そんな声出したら人が来るで、せんせ、嫌なんやろ?」  囁かれた。  教師は小さく嗚咽する。  ここに連れ込まれることを拒否できなかった。  科学準備室は鍵がかけてある上、この棟には科学室や、調理実習室などしかないため、放課後のこの時間には人はいない。  とは言え、誰かが通る可能性もある。  楽しげに少年に乳首を摘ままれまわされ、声を殺して教師は喘いだ。  「お願いや、もう、堪忍して」  教師は哀願した。  少年に放課後の教室で抱かれてしまったあの日いらい、少年に教師は抱かれるようになってしまっていた。  「嘘はあかん、せんせ、あんた俺のコレが欲しいはずや」  背後から固くなった少年のモノをおしあてられ、教師は思わず腰を揺らす。  何度もされてしまって、それが与えてくれる快感を身体はすっかり覚えてしまっている。  「それに、ここももう勃ってるやん」  ズボンを引きずりおろされ、それを掴まれた。  もう濡れそぼって、勃起していた。  強く掴まれて呻いた。  「こんなんで止めたら、ツライのせんせちゃうん」  少年は首筋に歯を立てながら言う 。   少年はシャツでギリギリ隠れる所に、自分の印だと噛み後とキスマークを絶対つける。  「あかんあかん言うけど、最後はいつも気持ちようなってるやん」  少年の言葉に教師は真っ赤になる。  「意地はるとこも可愛いけどなぁ、いいかげん素直になりや」  少年は傲慢に言い放つ。  「ガキが・・・」  教師がキッと睨む。  まだ16才の少年に好きなようにされてしまってる自分に嫌悪もしている。    「すぐ大人になる。ちょっとだけ待っとき。俺が大人やったらこんなんせん。せんせ、と暮らして他の奴には手出しさせん。でも、それが出来へんからこうやって抱いて、大人になるまでせんせが他にとられんようにしとるんやないか」     少年は当然のように言う。   「勝手なことばっかりいうなや・・・僕はそんなん、認め・・てな・・ああァ!」  乳首を親指で押しつぶされてコリコリとまわされ、教師は声を上げてしまう。  「せんせ、胸弱いなぁ、こっち向き、舐めたる」  少年に向かい合わせに抱きしめられた。  背の高い少年はかがみこみながら、教師の乳首を舐め始めた。  舌の熱さに教師は喘ぐ。  すわれ、噛まれ、舐められる。  乳首は毎日のようにされて、すっかりブックリした形になってしまった。   「好きやろ、コレ」   囁かれ、首をふる、  「好きちゃう、こんなん好きちゃう」  教師は少年の頭を押しのけようとする。   「ホンマ、いつも始めんのが大変やねんから」   少年はため息をついた。  甘く何度も乳首を噛む。   教師はコレが好きだと少年は知っている。    痛いくらい強く噛んで、それから甘く吸ってやればいい。  「あああァ!あかん、あか・・ん、やめて」  教師は思わず高い声を出してしまった。  あわてて自分の手で塞ぐ。  「ここでダラダラヤらしい液出しといて、何言うてんの、もっとシての間違いやろ」  少年に前を扱かれ、指摘され、教師はまた赤くなり顔を背ける。  「とりあえず、ここ、好きなだけ弄ったるわ」  少年は乳首にむしゃぶりついた。  教師は声を必死で殺す。   舐められ、噛まれて、そうされていないもう片方は指で摘ままれ、潰されまわされて。      「ああ 、はぁっ、いややぁ。やめぇ、そんなん・・・あかん・・・ああっ」    何度も身体を痙攣させて、教師は声をこぼす。  必死で声を抑えているのに。  そうしているうちに、教師は少年の髪に指を入れ、抱きしめるようにしてその胸を少年の唇に差し出してきた。  もっと吸ってもらえるように。  腰が少年の身体に押しつけるように動く。  股間の立ち上がったモノを、誘うように少年の身体にこすりつけてくる。  少年は笑う。  「せんせ、素直になってきたやん」  教師は何度も小さく首をふる。  「違う、違う、ちが、・・う」  でも、もう、そういう声も甘さしかない。  少年はいやらしく腫れあがり、唾液に光る乳首を強く噛んだ。  「ああァ!」  口を手で抑えてながら教師は叫んだ。  教師のそこが白濁を吐き出した。少年の制服のシャツに精液が飛び散る。  「ホンマ乳首いじられんの好きやねんから・・・俺のシャツまで汚したやん・・・ヤらしいわ、かわいいわ」  少年は愛しげに言いながら立ち上がった。  精液で汚れたシャツを脱ぐ。  シャツの下に着ていたTシャツも脱ぐ。  剥き出しの上半身は逞しい。  「せんせも全部脱いどき。せんせはいつもいっぱい出すから服が汚れるやん」  教師の服を全て少年は剥いでしまった。  教師は大人しくぬがされていく。  準備室で全裸にされて、上半身裸の少年に抱きしめられても、もう、教師は抵抗しなかった。  少年は教師の眼鏡を外す。   「キスしたる、口開けて舌出し」      囁いた。  教師はおずおずと口を開け、自分から舌を突き出した。  「可愛いなったやん。意地はってる時もかわいいけどなぁ」  少年は口を開け、その舌を貪りはじめた。  教師もそれに応えた。  壁に手をつかされた。  尻を突き出すように言われても教師はもう抵抗しなかった。  「真っ白やな、ホンマヤらしい身体やわ」  教師の尻を少年は噛んだ。  教師は呻く。    尻を押し広げ、顔をそこ埋められた。  少年の舌がその穴をなめていく。  舐められる度に教師の腰が揺れる。  穴に舌をおしこまれた時には声が漏れた。  「昨日もしたっとるから、ここももうすっかり柔らかなってもうて」    少年は嬉しそうだ。    少年は立ち上がり、教師の白い背中をなめた。  この白い背中も少年のお気に入りだ。  そして、だ液で散々濡らした穴に指を入れた。  毎日のようにされるそこは、今では入れられるための穴のようになっていた。  「すぐほぐれるなぁ」   少年は嬉しそうに言った。  かき混ぜられて、教師は喘ぐ。  「これなら、もう俺のいれてもええな」  少年が息を荒げた。  チャックが下ろされる音に、教師の身体が震えた。  「待ち切れへんのは、せんせやなぁ」  少年はそれを見て笑った。  穴にそれをあてがった。  でも、入れないでグリグリとこすりつけるだけだ。  教師の腰が揺れる。  いれて欲しいのだ。  「せんせ、どうして欲しいか言うて」  優しい声で少年は言う。  少しだけ押し込む。   そして引く。  教師はその感覚に喘いだ。  「せんせ、言わへんと入れたらん」  少年の声は甘い。   「・・・入れて・・・」  教師は言った。  泣きながら。  少年はこの教師が堕ちる瞬間が一番好きだ。  「ああ、もう、可愛すぎるわ」  そこに、少年は自分のモノをめり込ませていく。  少年は優しく動かす。  優しく優しく、イヤらしく、感じるように。  ひどくしたら簡単に教師が乱れるのは知っている  だけどしない。  そこに教師の前の男の影を感じるからだ。  少年に似ていたと言う、高校生から大学生まで付き合っていた教師の恋人。  教師の身体を淫らに教え込んだ男。  そして、教師を手酷く捨てた男。  ひどくされると乱れるのは、その男のやり方でそう教え込まれたからだろう。  その男によく似た少年にそうされて乱れるなんて、その男に教師を抱かしているようで少年は嫌だったのだ。     それに焦らすように優しく抱くと、何もかもが溶けたようになる教師を見るのが好きだった。  乱暴に酷くなんて抱いてやらん。  懇願して欲しがるように抱いたる。    少年はそう決めていた。  それに、そう抱けば、穴が締まり 、蠢いていくことを少年はもう知っていた。  「めちゃくちゃ、せんせの穴はええ気持ちや」  少年はうっとりと言う。  ねっとりと腰を動かす。  「いい・・・」  壁に爪をたて、教師があえいだ。  もう、口だけの抵抗もなくなり、教師は淫らさを露わにしはじめる。  じっくりと良い所をこすってやった。   「あああ、気持ちええ、もっともっと擦って」  教師がかろうじて、声を殺すことを忘れず、囁く。  「俺をもっと欲しがれや、せんせ」  少年はそんな教師を見ながら囁く。    「俺は優しいやろ?せんせが欲しがったらちゃんとしたる」  望むままに擦ってやる。  「あぁ、気持ちええ 、奥も・・突いてぇ」  うっとりと教師は腰を振りながら、小さな声で囁く。  見つかってはいけないことだけは忘れていない。  「俺の名前呼んで。ほんなら、もっと気持ちよくしたる、奥も突いたるし、そろそろもっと強いのが欲しいんちゃうか?」   浅いところで焦らすように回す。  教師は少し理性を取り戻す。  「嫌、や」  焦れながらも拒否する。  「知ってるやろ、俺の名前」   少年はせがむ。  壊れたら卑猥な言葉を教師は自ら口にするくせに。    少年は苛立った。  教師がそういう事を言わされられるように抱かれてきたのだろうから余計に腹立たしい。  ソイツに言わされたことは言えんのに、俺の名前は呼べんのか。  少年は教師が教室やトイレで抱かれることにも、少年に抱かれることには抵抗はあってもそこでされることには自体には拒否がないことも分かっていた。  乱れれば、慣れた様子で咥えてさえくる。  そういう男だったのだろう  酷い男に身体をしこまれ、手酷く抱かれてきたのた。  こうやって身体を重ねるようになったばかりの頃、セックスの途中で錯乱して、「なんでもさせたくせに捨てるんやったら、最初から近寄らんといて」とか言ってた言葉からも大体想像つく。  酷い男にホレて、散々おもちゃにされて捨てられたのだ。  「僕は、もう二度と捨てられんのが嫌で、惨めに縋るような真似はしたないんや」    あの日、教師はそう言って泣いた。  アホが、散々遊んで捨てよった。  こんなに可愛い人を。  その影だけを身体に刻み込んで。  気が向けばどんな場所でも身体を繋いで、乱暴に扱い、どんな言葉でも口にさせておいて。  咥えさせ舐めさせ飲ませて。    俺はちゃんとベッドで抱いたりたいんやで?  少年は思う。  あんたが学校の外で会うのは絶対に嫌だと拒否するから・・・。  「名前、呼んでや、俺の名前」  少年はせがむ。  「嫌や・・・」  教師は拒否する。  何で何で。   頭に血が上る。  ぐちゃぐちゃに突いて、おかしくしてしまえば、教師は何だって口にするだろう。    でもそれじゃあかんのや。  少年は唇を噛む。  「なんでや、何で呼んでくれんのや」  奥を突いてやる。  一番奥で擦るように擦り付ける。   「奥、当たって、クる・・・、あ・・」  かすれた声で教師はうめく。  声を殺しているのではなく 、感じすぎて声が出ないのだ。  教師の白い背中が白い喉が反り返る。  何度もこすれば、先を吸い尽くように穴が締まる。  「凄・・い、いい」  身体を痙攣させ、教師は床に崩れ落ちた。    出さずにイったのだ。  教師はもう立ってられない。  腰だけを高く持ち上げて、少年は腰を打ちつけた。  床の上で教師は悶えた。  「あ、ああ。いい、いい、ソレ好きや」  とろけきった声。  少年は泣きそうになる。  教師が名前を呼んでくれないからだ。  「 名前呼んでや、呼べや!」  少年は叫ぶ。  「声出す、な・・・」  教師 は必死な顔で言う。  「そんなに、気になるんはバレることだけか」    少年は怒る。  「当たり前・・・や。お前は生徒なんや、こんなんあかんに決まって・・・」  教師の言葉は、少年が叩きつけ始めた腰のせいで消える。  「優しくしたりたいのに、めちゃくちゃ優しく気持ちようしたりたいのに、こんなんしたないのに、何であんたはそんなこと言うんや!」  少年は声こそ荒げなかったが、低く殺した声が、その怒りの大きさが怒鳴る以上であることを教えていた。  酷くされはじめたら、教師の頭はおかしくなる。  おかしくなる、快楽だけにならなければ耐えられなかった過去がそうさせる。  でも、そうなってしまえば楽になる何も考えなくていい。  「酷く、してや、もっとめちゃくちゃにせぇや僕を」  教師は声だけは殺すために、 自分の口に指を入れ咥えた。  見つかることだけはダメだ絶対に。  声を殺す。  あの男の友人達の前で抱かれもした。  「嫌」は許されなかった。  教師は過去を思い出す。  同性が好きな自分に悩んでいた。  男子校で同級生に恋をした。  フラレてもいいと思って告白した。  受け入れられ、舞い上がった。  その日のうちに犯された。  「嫌なら別れる」  そう言われたら、拒否できなかった。  まだ成長しきってない、15には見えない、どうかすれば少女のような未発達な身体が面白かったのだろう。  「まあ、いらんもんついてるけど、胸のない女の子やと思えばエロい」  あの男は笑った。  告白した体育館の裏で、そのまま抱かれた。  地面の上で犬のように這わされ、強引に犯された。  優しさなんかないセックスの始まりだった。  それでも、受け入れられたことが嬉しくて。  受け入れられたのが愛なんだと思って。  言いなりになった。  どこででも抱かれた。  あの男がしたくなったら、どこででも。   いい玩具だった。  少女のような外見が、男ではあっても、あの男の友人達の気をひいた。  「あれやったら男でもヤりたいわ」  そう言われていたから、自慢するためだけに、友人達の前で玩具にされた。  友達のリクエストに応えて、あの男は尻の穴に突っ込み、喘ぎイかせるところを見せたりもした。  あいつらの前で咥えさせられ、飲まされた。  それでも他の人には触れさせなかったから、愛されているのだと思っていた。  ただ単に、自分の玩具を人に使わせたくないだけだったのに。  放課後の玩具。  それでも「可愛い」と言われた。  たまには優しくされた。  だから何でもした。  本当になんでも。  言われるがまま従った。  毎日毎日、ありとあらゆる淫らなことをされた。  あの男が楽しむために。  そして、身体はどんどん淫らになった。  数少ない友人が「あの男はやめろ」と言ってくれても無視した。  でも、少女のような姿が、華奢で、綺麗ではあっても青年になってきた時、男は興味を失った。  「女みたい、よりは女の方がええやん、それにお前もう女みたいでもないし」  大学生になると、連絡は稀になった。  それでもたまには呼び出され、都合よく抱かれていた。  「咥えんのだけはうまい」と。   ても、とうとう別れを切り出された。  泣いて縋った。  「捨てへんといて、なんでもする、捨てんといて」  笑われた。  「男同士なんかキモイねん、あんなん、男子校で、性欲の塊やった高校生の遊びやろ もう、関わらんといてくれる?俺ゲイやないし」  二度と近づくな、自分と関係したこと話すな、それを笑って言われた。  その時にやっと自分が玩具だったと知った。   自分の惨めさを嫌悪した。  そして、何より、すっかり淫らになってしまった身体が許せなかった。  あの男の身体を求めてうずく身体が。  もう、誰にも触れさせないと決めても、消せない淫らな熱。  たまらなすぎる夜は、一人で穴に指を入れかき混ぜながら、こすりながら出し、それでは物足りないと泣きながら、自分を嫌悪した。   それでも、我慢出来ていた。  何年も何年も、この身体を誰にも触れさせなかったのに。      「名前呼んでや、俺の・・・」  囁かれながら、中を擦られる。  「あ・・・」  気持ち良すぎて涎がこぼれる。  少し、あの男に似た顔の少年。   最初は怯えた。   似てたから。  だから見てしまった。  でも、全然違って、「せんせ」とどんどん懐かれて、生徒だからと気を許してしまったら 、どんどん無遠慮に心の中に入ってきて。  放課後少し話をすることが、楽しくなってしまって。  同時に自分に嫌悪していた。  大きな身体にじゃれるように抱きつかれる度に、大きな手が肩に置かれる度に、考えてしまう自分がいることに。  こんな子供に。  欲情していることに。  あの日、教室で抱かれた日も、欲情した少年の目を見ていたのに、教師は自ら教室に入った。  分かっていたのに。  「名前呼んで・・・」  「あかん・・・」   教師は涙を流す。  少年は苛立ちを叩きつけるように、教師の中に精液を吐き出した。  その感覚に教師はまた身体を震わせイった。  「なんでや、なんでなんや」  少年は冷たい床の上で、教師の身体を仰向けにさせ、その身体に覆い被さった。  そして、その唇に何度も優しいキスを落とす。  その近さで囁かれれば、目の悪い教師でも、少年の顔がはっきり見えた。  「なんで名前呼んでくれへんねん」  泣きそうな顔。    傲慢で、好き放題するくせに、こんな顔をする。  少年は優しい。  いつも抱かれる時は強引だけど、その手は優しい。  教師の快感を優先しているのがわかる。  身勝手に抱かれることなら、よく知っているから。  また、胸をいじり始めるのも、ココが教師の好きなところだと知っているから。  喘ぐ。  気持ち良さと、辛さがある。  その感覚に教師はまた身体を震わせイった。  「なんでや、なんでなんや」  少年は冷たい床の上で、教師の身体を仰向けにさせ、その身体に覆い被さった。  そして、その唇に何度も優しいキスを落とす。  その近さで囁かれれば、目の悪い教師でも、少年の顔がはっきり見えた。  「なんで名前呼んでくれへんねん」  泣きそうな顔。      「名前呼んでや・・ 」   少年がまた囁く。  ポタリと落ちてきたもの。  涙。  泣いていた。  そんな傷ついたような顔するんか  傲慢で、人を好き放題振り回すこの少年が、こんな顔で泣くことに教師はショックを受けた。  ただ教師に名前を呼んでもらえないことが、それほどまでに悲しいと言うのか。  教師は思わずその手を少年に伸ばしてしまった。  欲望を求めるためではなく、涙を止めてやりたくて。    「あか・・んのや。名前なんか呼んだら・・・好きになってまう・・・僕みたいなんが、お前にホレたらあかん・・・」  教師はいい聞かせるように言った。  「お前、ええ子や・・・可愛い女の子にしとき」  教師は少年の頭を胸に抱きしめた。  髪を撫でる。  愛しさがある。  「・・・見つかることばかり怖がるんはなんで?」  胸の中で少年が囁く。  「お前はええって言うけど、見つかってお前が問題になるんは、僕は嫌や・・・それに」  見つかったら、もう二度とこうやって出来へんなる・・・。  それは言うのは止めた。  もう、やめなあかん。  見つかることを恐れる本当の理由に気がついたから。  この放課後の行為が終わってしまうのが怖かった。  コイツに僕は抱かれたかったんや。  浅ましい。  コイツを離したくなかったんは、僕や。    教師は自嘲した。  少年の髪を撫でてやった。  終わりにしなあかん。  「・・・せんせ」  少年がかすれた声を出した。  様子がおかしい。  教師は怯えた。  お腹に堅いものが当たっていたからだ。  少年の出したばかりのモノがガチガチに立ち上がっていたからだ。  そういうことは良くあった。   でも、こういう話の流れでなんでこうなるのかが 教師にはわからなかった。  「せんせ、それは告白か・・・」  顔を上げた少年の顔が真っ赤になっていた。  教師は絶句する。   「なんでそうなんねん!」  思わず怒鳴ってしまい口を抑える。  「だって俺の名前呼んだら、ホレてまうって、それ、もうホレてるし、俺が困るから見つかるのが嫌って、それもそうやんか」  少年は真っ赤になりながら 、教師の脚を肩に担いだ。  いれるつもりだ。  いつもより大きく見える。   「どうやったらそういう解釈になんねん、このアホ・・・あっ、」  ズブリと差し込まれた。  「せんせはそういう人やったな、そうやな、真面目やもんな。生徒を好きでもそうは認めるわけにはいかへんもんな」  何故か少年は上機嫌だ。  「なん・・・でそんなとこ、だけ、ポジティブやね・・ん、あっ、大き、なに・・」  教師は怒る。  でも擦られ、喘ぐ。  「名前呼んで欲しかったけど、卒業してからでええわ。卒業したら一緒に暮らそ、こんなとこやなくてベッドで毎晩優しくしたる」  少年の言葉に教師はわけが分からない。  どうすればそういう結論に。  「ええよ、認めんでも。せんせには何の責任もない。俺に無理やりされていることにしとき。せんせは何も悪ない 、生徒としてるんやなくて、無理やりオレに抱かれてるんやて思いや。それでええ。真面目やから考えすぎでしまうんやろ、俺は待つで。俺を好きやと認めるんは卒業してからでもええ。」  少年は胸を音を立てて吸った。  入れながら吸われると教師が乱れるのを知っているからだ。  教師の身体が震えた。  「イった?」  少年はニコニコ笑う。  教師は戸惑う。  なんでなんで、こうなるのか。    「俺は思ってるよ、なんでもっと早よ生まれてこうへんかったかって。ほんなら、どこかのアホにあんたを好きにさせへんかったし、あんたに生徒やからとためらわせなかったのに」  教師の好きなところを擦ってやる。  乱れさせてやろう。  この人はまだ、考えすぎる。  ただ気持ちよくして、甘やかしてやろう。  「   」  少年は教師の名前を呼んだ。  ビクン、身体が波打った。  中が締まった。  漏れそうになる声を指を入れておさえてやる。  「   」  抱きしめて耳元でもう一度呼ぶ。  また締まり、漏れる声を手で塞ぐ。  「名前を呼ばれるだけで感じる位、俺のこと好きやないか」  幸せそうに少年は呟く。  「ホンマに可愛い」  少年は興奮していた。  教師の口を塞いでやる。  少年は遠慮なく、動きはじめた。  「見つからんように、するわこれからは。せんせ、これ、やめたないやろ、なあ」    少年の言葉はもう教師には届かない。  少年が与える快楽に全てを忘れている。  涙を流し、少年の手の中に声をこぼし続けている。  「名前は俺が呼んだる。今はそれでええ」   少年は何度も何度も教師の名前を呼んだ。  教師はその度身体を奮わせた。    「いつか名前呼んでや」  少年は年上の恋人にキスをした。  焦らない。  そう決めた。   いつか甘く名前を呼ばれるその日まで。  名前を呼びつづけよう。    「俺はホンマにあんたにホレてんねん」  少年は恋人を甘やかすように抱きつづけた END

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