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第12話

復讐を誓った僕だけど、ちょっと待ったになった。 必ず復讐はする。 でもまず幸治の心に寄り添わなきゃ。 次の日僕は校門で君を待った。 やはりギリギリに君は登校した。 根が真面目過ぎるんだね。 あんな事があってもやっぱり学校には来る。 普通は無理でしょ。 本当に君は頑張り屋さんだね。 「よ!」 僕は君に声をかけた。 「よ」 下を向いていたが、僕の声に反応して僕を見て君は答えた。 なんか複雑な気分。 朝、朝練で君とこんな風に校門で待ち合わせなどしてこなかったのに、君には茜ちゃんがいて、僕の入る隙間などなかったし。 なんか幸せ。 ごめん。僕ホント性格悪いかも。 茜ちゃんが 消えて嬉しい。 そんな自分が嫌になる。でも心はそう言ってる。 しかも微かに幸治が笑顔を取り戻しつつある。 心からで無くても、少なくとも僕に少しだけ心を許してくれてる感じがする。 僕はコンビニで買ったペットボトルのコーヒーを幸治に渡した。 「おっ、サンキュ!」 やっぱり笑ってくれた。 なんかドキドキする。なんて可愛らしい笑顔なんだ。 胸が苦しい。 君はきっと少し無理してると思う。 でもやっぱり笑顔を見せてくれると嬉しい。 しかも君は今、他の誰ともコンタクトを取ろうとしない。 僕だけの幸治。 やっぱり嬉しい。なんかずるい自分がそこにいた。 そして君は歩きながらペットボトルの蓋を開けると口をつけ飲み出した。 朝の光が君を照らす。 目をうっすら開けてコーヒーを飲む君は美し過ぎた。 僕は喉が鳴った。 君はごくごくと3分の1ほど飲むと、僕にペットボトルを渡してきた。 「お前も飲めよ」 僕は咄嗟に受け取ってペットボトルの飲み口を見た。 幸治の飲んだコーヒーの口。 体が熱く感じた。 僕は思いっきり口をつけて飲んだ。 なんていやらしいんだ。 今更関節キスがこんなに興奮するなんて…。 ガキか? だんだん自分がおかしくなって行く。 幸治、お前、どんだけ魅力的なんだよ…。 「やっぱりお前も喉乾いてんじゃん!」 幸治は笑った。 その笑顔は茜ちゃんに向けてた笑顔と被った。 そしてその笑顔は急にびっくりした顔に変わった。 「光星、大丈夫か?!鼻血、鼻血が出てるぞ!」 ま、マジか! 「え?」 僕は鼻の下を擦った。 手には血がべっとり付いてる。 「おい!具合悪いなら保健室行こ!」 僕の肩に幸治が手をかけて前へ促す。 ち、違う!僕は何をここまで興奮したんだ? 恥ずかしさと愚かな自分に心底ゾッとした。

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