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第15話

それからの僕は、君に夢中だった。 僕の気持ちがバレても構わないくらいに君に夢中になった。 いつも朝校門で君を待ってクラスに向かう。 たわいない話をしながら、君が笑うと僕は嬉しかった。 昼休みの屋上での2人きりの時間、君の何気ない仕草にドキドキしたり、君の笑顔に魅了されたり。 君にこの気持ち届いてるかな? 君は見違える様に明るくなった。 アイツらの話も一切しなくなった。 2人きりの時間を大切にしたかった。 上のボタンをいくつか外した胸元が、やけに色っぽくて、覗き込んでしまったり、勉強を教えてくれる時、顔が近すぎてうろたえてしまったり、急いで向かう先にリードしてくれて、手首を捕まれて引っ張られたりしたら妙に緊張したり。 ともかく楽しかった。君との時間。 そんなある日、また、事件が起こった。 僕はそのことを知らなかった。 そんな時、教室に川端が来た。 「大宮くん」 川端は、気味の悪い笑顔で幸治を呼んだ。 僕と幸治は一緒に入り口を見た。 僕も幸治もゾッとして心臓がバクバクした。 正樹もゾッとした様子で川端を見ていた。 クラス中川端を見た。 3年がこんなとこに来ることなんて普通ないから。 幸治が硬直するのが分かった。 僕は 「なんだよ!」 と言った。 川端はズケズケとこちらに歩いて来た。 そして幸治に 「話があんだよ。来いよ。」 と言った。 「こっちは話なんてねぇよ!」 と僕が言うと、 「黙れ!お前は外野なんだよ」 と川端が言った。 川端の鋭い眼光はゾクッとさせるほど、気味が悪かった。そして恐怖を感じた。 「大宮、来いよ」 幸治は下を向いて震えた。 僕は何も言えなかった。 こいつ、怖い。怖すぎる。 「バラされたくなかったら、来いよ」 川端は言った。 脅しだ。 幸治はしばらく目を泳がせながら、じっとしていたが、立ち上がった。川端がフッと笑い幸治を促した。 幸治はその後ろを着いて行った。 僕も素早くその後ろに続いた。 が、 「おめぇに要はねぇんだよ!」 と僕を突き飛ばした。 ものすごい力だった。 僕は机の角で頭を打ち、悶絶した。 川端は振り返ることもなく、歩き出した。 幸治はあっという顔をしながら振り返ったが、川端に手を引っ張られて、去って行った。 川端は幸治をトイレに連れて行き、個室に入ると幸治を壁に押し付けて、幸治の口に無理やりキスをした。 ディープなやつだ。 幸治は息が出来ずにむせた。 「鼻で息しろよ」 フフって笑いながら、幸治のシャツのボタンを外し出した。 幸治は恐怖で震えながら、川端を押しのけようとしたが、川端は幸治の手を払いのけボタンを最後まで外して一気に広げて肩からシャツを落とした。 幸治は個室のカギを外そうとしてドアに向かうが、川端に阻止された。 「ひっ!」 幸治は声にはならない悲鳴をあげた。 そしてまた壁に押し付けられ、 「学校中に言いふらされたくなければ言うこと聞けよ。分かるだろ?」 そう言われて幸治は黙るしかなかった。 目から涙が流れるが、口は川端の汚い口で塞がれ、下を入れられ、身体中を這う指にゾワゾワしながら耐えた。 気持ち悪い!苦しい! そう思ってもどうにもならない。 首筋や胸元乳首をら舐め回されながら、それでも黙って耐えた。 学校中でこんなとこ噂になったら、どんな顔をすればいいのか? 人に知られたくない!その恐怖からひたすら耐えた。 そんな時、チャイムが鳴った。 川端は、チッと舌打ちして、 「また続きは今度な!」 そう言って幸治にまた軽くキスをした。 川端は個室のカギを開けて去った。 幸治はその場に立ち尽くし、やがてカギを閉め直して床に落ちた。 なんてことだ。 この恐怖には続きがあった。 俺は一生アイツらの言いなりにならなければ、学校中にあの事実が知られる! 俺は一生こんなとこをアイツらと続けなければならないのか? 俺は、俺は、生きた屍だ…。

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